
県高校総体 バレーボール男子 仲間との絆で栄冠をつかんだ大分南 【大分県】
バレー
V・プレミアリーグでプレー経験のある徳丸善基コーチは、2014年に現役を引退し、指導者への道を歩んだ。2016年にバサジィ大分の女子バレーのコーチに就任。現在は指導を続けながら、現役時代に培ったネットワークを生かし全国各地でスカウト、情報収集し、指導論を学んでいる。
今回は徳丸コーチが育成の重要性、そして大分県内のバレーボールについて語った。
Q:東九州龍谷高校がインターハイで優勝し、臼杵高校も九州大会で3位、小学年代でも日出町の藤原フェアリーズが九州ブロック大会で優勝しました。大分県の女子バレーボールのレベルは間違いなく上がっていると思いますが、どのような認識ですか?
A:全国各地で各年代のバレーを見るようになり、多くのバレー関係者から、「大分は高校バレーのレベルが高く、その下の年代もいい。しっかりピラミッドができている」と聞きます。確かに小学年代から指導者の熱意で基本となるプレーができていますが、残念なことに中学年代になると部活の指導者が極端に減り、高校までの3年間で伸び悩む選手が少なくない。どの都道府県も同じような問題を抱えているようですが、いい流れを作れば大分はバレー県になれると思います。
Q:高校年代までに身に付けなければいけない技術とは何でしょうか?
A:局面で何が一番効果的なプレーなのかを判断でき、当たり前のことを当たり前にできるかです。決定的に不足しているのは、動いて正面でボールを受ける技術です。手だけで受けるのではく、やはり足を動かすことが重要です。小学校、中学校までは基礎を身に付け、伸ばしてほしいです。
Q:高校になると勝利最優先となる学校が多く、燃え尽きてその後に本気でバレーボールを続ける選手が少ないようですが。
A:確かに6人制になると大学、社会人の競技人口が極端に少なくなります。バサジィも選手集めに苦労しているのは、そのあたりが問題となっています。ただ、子どものうちから勝利を追うのは悪いことではないと僕は思っています。確かに勝つために自分たちのプレースタイルを捨ててしまうのは問題でしょうが、心の持ち方として「勝利がすべてではない」と逃げるのは良くない。勝利のために今あるすべての熱量を注ぐことを、育成年代で身に付けさせておく必要性は感じます。
Q:勝つことで得ることは大きいということですね。
A:特に優勝したときに見える景色を知っているかどうかが、後にものをいう。優勝経験のある選手にはそれだけの価値が生まれる。勝つから育つし、育つから勝つ。選手育成と勝利の追求は別物ではないと考えています。
「大分はバレーどころとなるポテンシャルがある」と語る徳丸コーチ
Q:指導者となり3年過ぎました。現役時代にトップレベルを知っているからこそ、「なぜこの程度のプレーができないの?」と思うこともあるのでは?
A:歯がゆさを感じることはありますが、それをしっかり説明できない自分への腹立たしさがあります。選手は意図を説明すれば理解してプレーできる。僕は気になったこと、思っている理想の動きを言うようにしています。「こういう選手になってほしいからこういう練習をするといい」というように。
Q:指導するにあたってこれだけはする、これだけはしないという自分だけのルールはありますか?
A:練習で最初から「こうしよう」とは言わないようにしています。問題の解決方法を教えたり細かなことを決めつけないようにしています。自分なりの方法論を作り、解決策を考えるように設定しています。局面を自分たちで解決できれば、もっと上のレベルのプレーができると思います。
Q:今後、大分県で6人制が普及していくために必要なことは?
A:バサジィでプレーする選手が増えることじゃないですかね。クラブができて2年。どの活動も短期間で大きな結果を出すことは難しいですが、チームは「クラブ日本一を目指す」という方針を掲げているので、良い方向に動き出しているのは間違いない。ソフト、ハード両面での充実を図り、今後は県内の高校生が興味を持ち、練習に参加できるような試みを考えたいです。高校を卒業してもバレーを続けたい、上手くなりたいと思っている選手は、まずは練習を見に来てほしい。そして一緒にバレーをしたいですね。
バサジィで社会人クラブNo.1を目指す
(柚野真也)
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