バサジィ大分 つかんだ初勝利 走って守って決めた 【大分県】
フットサル
バサジィ大分 今季総括 インパクトは残せなかったが、「ニュージェネレーション」が飛躍
2年連続2位で終わった昨シーズンから、いやが上にも優勝の期待が高まった今シーズン。バサジィ大分は4位でリーグ戦を終えた。過去2シーズンはスタートダッシュで勢いに乗ったが、今季は初勝利まで3試合を要した。その後は東京オリンピック、ワールドカップで3カ月の長期中断が入り、試合勘を取り戻すのが難しいシーズンとなった。大きな浮き沈みはなかったが、結果的には一度も優勝争いに加われず、シーズンを通してインパクトは残せなかった。
再任して4シーズン目となった伊藤雅範監督は、「12人の少数編成でやりくりした。これまでやってきたことを出しづらく、選手の能力を見極めながら手探りの状態だった」と振り返る。相手の良さを消しつつ、自分たちの強みを出そうと試みたが、チームとしての戦い方を固められなかった。個々の役割が曖昧となり、局面での打開においても連動性のある崩しは少なかった印象だ。
必然的に個の力に頼らざるを得なかったことも苦戦を強いられた要因の一つだ。中でも痛かったのが、ベテラン勢の不調。長年チームの顔として引っ張ってきた仁部屋和弘は全盛期ほどのキレはなく、けがで長期離脱。芝野創太もコンディション不良が続き、試合出場数は減少した。
厳しいシーズンだったと語った伊藤雅範監督
チームが過渡期を迎えた中で、次の日本代表候補となりそうなキャプテンの吉田圭吾、山田凱斗、野口茅斗といった20代前半から半ばの「ニュージェネレーション(新世代)」が出場機会を増やし、独り立ちしたことは収穫だった。伊藤監督は常々、若い選手に掛ける言葉がある。「まずは出場機会を増やせ。その次はゴール、アシストで分かりやすい数字を残せ。最後は、日本代表としてのキャリアを伸ばせ」。指揮官の言葉に刺激され、若い選手は試合を通じて飛躍的な成長を見せた。
今季4位という結果だけを見れば物足りなさはあるが、チームの底上げができた。伊藤監督は「仁部屋も芝野もベテランと呼ぶにはまだ早い。戦力として期待しているし、若い力と争って高いレベルでチーム内競争をしてほしい。我々は常に優勝争いをするチームでなければいけない」と話し、今季最後の公式戦となる全日本選手権大会に向けて選手のモチベーションは高く、タイトルを取ることができれば、チームはさらに一歩階段を上ることになるだろう。
今後も飛躍が期待される山田凱斗
(柚野真也)