大分上野丘高校ラグビー部 佐藤武信(3年) file.827
ラグビー
大分ラグビースクール 勝ちたい思いが3年連続全国大会出場へ導く
50年以上の歴史と伝統を持つ大分ラグビースクールの5、6年生が九州・沖縄8県24チームが出場したトライドリームカップを勝ち抜き、来年1月29日から横浜で開催される全国大会ヒーローズカップへの出場を決めた。3年連続の快挙となる。
メンバーは6年生14人、5年生2人。ヒーローズカップにかける思いは強い。藤高珠樹チーフコーチは「今の6年生が3年生の時に、最初のミーティングでヒーローズカップに出場したいと言い出した。ヒーローズカップを知っていたことも、そこを目標にしていることにも驚いた」と当時を振り返る。そこからヒーローズカップを目指し、ひたむきに練習に取り組んできた。
クラブのモットーは“ラグビーを楽しむこと”だが、練習は真剣そのもの。グラウンドでは頻繁に指導陣の叱咤(しった)の声が響く。しかし子どもたちは一歩も引くことはない。懸命に食らいつく姿からは「もっとうまくなりたい」「勝ちたい」そんな強い思いが伝わってくる。「一生懸命練習するからこそ、楽しさや達成感を味わえる。子どもたちもそれをよく理解している」。良くない部分は遠慮なく叱り、褒めるべきことは全力で褒める―。藤高チーフコーチら指導陣は子どもたちと本音で向き合いながら揺るぎない信頼関係を築いてきた。だからこそ厳しい言葉も真っすぐに子どもたちに届く。
練習から真剣勝負
おととし以降、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で試合はもちろん、練習もできない日々が続いたが、腐ることなく、仲間と支え合い、常に前を向いて走り続けてきた。「学校はバラバラだがチームワークはどこにも負けない」。そう胸を張って断言する選手たちがヒーローズカップ出場を勝ち取ったのは必然と言えるのかもしれない。
全国大会での目標は優勝。プレーでも精神面でもチームを牽引(けんいん)するキャプテンの首藤慎仁(6年・宗方小)は「両センターの破壊力が持ち味。チームをしっかりまとめて、全国制覇を目指したい」、副キャプテンの岩本浩志(同・明治北小)は「一人一人のパワーがあるチーム。たとえ点を取られても声を出し、諦めずに優勝を目指したい」とそれぞれ意気込む。
これまで多くの全国高校ラグビー大会出場選手やトップリーガー、日本代表選手を輩出してきた大分ラグビースクール。未来のトップ選手の芽が確実に育っている。
全国大会でも優勝を目指す
(甲斐理恵)