県スポーツ少年団駅伝交流大会 男子 豊後高田陸上クラブが連覇達成 【大分県】
陸上競技
冬の全国大会特集 駅伝男子 悲願の表彰台に向けて、機は熟した大分東明
表彰台に上がるためのポイント
・選手の見極め
・調整力
・1区で1桁順位を確保
出場20回目の節目の年、悲願の表彰台が見えてきた。男子第72回全国高校駅伝競走大会に11年連続20回目の出場を決めた大分東明。井上浩監督は「県予選で予想以上の好タイムが出て、トップ5に入る位置にいる。あとは調整力」と手応えを感じている。11月初旬の県予選で記録した2時間3分38秒は、出場校のトップ5に入る好記録。同月下旬の九州大会ではタイムを落とし準優勝となったが、「慢心があった。水分補給などでミスがあったが、修正できる範囲。本番は高速レースに対応できる準備をしている、(県予選のタイムから)2分ぐらい速く走れると思う」と井上監督。
柴戸遼太(3年)、岩下翔哉(同)、ダニエル・ディリツ(2年)の3本柱が絶好調。直近の記録会で好記録を更新している、故障により夏までジョギング程度しか走れなかったディリツの調子が一気に上がり、井上監督は「ターボエンジンを搭載したようだ」と驚く。本戦の序盤でいい流れをつくり、ディリツの出走予定の4区まで1桁台でタスキをつなげば、トップに立つことも考えられる。
好調を維持する柴戸遼太
3本柱の間を走る4区間の選手選考と配置がレースのカギを握ることになるが、井上監督は「誰が出ても同じように入れるが、どんな状況になっても粘れる走りができる選手を選ぶ。大会直前まで出走メンバーと、誰をどの区間で走らせるか見極めたい」と勝負師としての勘を研ぎ澄ます。
今年は夏場にコロナ禍で走り込みができなかったが、9、10月の高地トレーニングで脚力を鍛えた。「スピードとスタミナをつける練習をしてきたが、選手それぞれの特徴や体調によって負荷を変えた。型にはめず、データに頼らず、感覚を大事にしてきた」と井上監督。長年の指導経験による「さじ加減」で全国大会に照準を合わせて調整を進めてきた。不調の状態を発奮材料とするよう指導し、選手の滞在能力を引き出した。
大会までの残り2週間、全国大会でのコース試走を終えて、イメージを明確にした。寸分も狂いなく、ピークを大会まで持っていけるかが腕の見せ所となる。「過去最高の走りができるように調整したい」(井上監督)と手綱を緩めることはない。
走るたびに自己記録を塗り替えるダニエル・ディリツ
(柚野真也)