現役プロが熱血指導 大分に広がる「バスケの灯」 【大分県】
バスケ
冬の全国大会特集 バスケットボール男子 「ハイテンションバスケ」で別府溝部学園旋風を起こす
年末年始に幕を開ける冬の全国大会。
激しい予選を勝ち抜いた各競技の県代表を紹介し、大会を展望する。
今年度の総決算を見逃すな。
ベスト8進出のためのポイント
・ハイテンション
・ハイクオリティー
・ハイスペック
コートに立つ選手を目まぐるしく入れ替え、強度の高い守備で相手のミスを誘い、速攻からゴールを重ねる。ボールを奪いゴールを決めるまでの時間は8秒から14秒。全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)に出場する別府溝部学園が「ハイテンションバスケ」と呼ばれる理由は、そこにある。末宗直柔監督は「コートに立てる選手が10人以上いるのがウチの強み。誰が出てもチーム力は変わらない。頻繁に選手を交代するのは、与えられた時間で集中してプレーするため」と話す。
激しくプレッシャーをかけてボールの動きを止め、ミスや難しい体勢でのシュートを誘う。スチールやディフェンスリバウンドから速攻につなげる意識を共有している。ウインターカップに出場が決まってからも、守備の約束事を徹底し練習する。その練習も独特だ。メニューは15から20個あり、1つが終わって次のメニューに移るまでの時間は短く、絶え間なく動く。毎日メニューが異なるのも特徴の一つ。「選手は瞬時に考えて次に移る。練習から切り替えを意識することで、試合のときのトランジション(攻守の切り替え)が速くなり、状況判断が的確にできるようになる」と末宗監督。試合がハイテンションであれば、練習もハイテンション。選手は練習から自分たちのスタイルを身に付けるというわけだ。
試合をつくる大庭涼太郎
2年ぶりのウインターカップに向けて、攻撃の強化も進んでいる。守備からの速攻が主となるが、司令塔の大庭涼太郎(1年)が試合をつくり、2メートルを超すコンゴからの留学生2人がゴール下で核となって、セットオフェンスからの得点パターンを増やした。選手全員が外角からのシュート、特に3点シュートは1試合で20本以上を打つことを目標とし、相手に的を絞らせない攻撃の形を構築した。
仕上がりは順調。毎週末には九州内の強豪校と練習試合を重ね、ハイテンションバスケの質と性能は上がっている。目標は過去最高のベスト8超えとなる。キャプテンの長嶺早良(3年)は「初戦をぶっちぎりで勝てば勢いに乗れる。3回戦で(優勝候補の)福岡第一と対戦して、溝部の名と自分たちのスタイルを全国に広げたい」と話した。気持ちの高ぶりは練習に反映されており、ハイテンションのまま全国に乗り込む。
ハイテンションバスケでベスト8を狙う
(柚野真也)