国スポ 期待高まるチーム大分 今年も千点以上目指す 【大分県】
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大分トリニータ 残り3試合、全てを捧げて残留をつかみ取れ
残り3試合で残留圏までの勝点差は5。残る対戦相手を見渡しても残留を勝ち取るのは至難の業に見える。それでも自ら狭めてしまった残留への細い道を、もう一度チーム一丸となって切り開いていかなければ、「一致団結」をスローガンに掲げた意味がない。
「目の前の試合に勝つだけ。勝つために高い意識で準備してきたことでトライするだけ。1対1、球際、ゴール前の攻防、そういったところでどれだけ戦えるかが重要だ」。片野坂知宏監督は、「体を張って、粘り強く戦う姿が大分の良さだ」と言う。ここまで来たら、戦術うんぬんではなく、気持ちの部分が勝負を分けることは言うまでもない。個人のパワー、技術で劣る部分を運動量と素早い攻守の切り替えで補い、仲間のミスは全員が体を張ってカバーしていく。サッカーの原点とも言えるこのテーマに90分間こだわり続けることで、チームは息を吹き返すのだ。
「目の前の試合に勝つだけ」と片野坂知宏監督
「90分間にわたって戦う気持ちを表現する」とは三竿雄斗の言葉だが、そんなシンプルな思考へと切り替わったチームには今、緩みのない緊張感と適度にリラックスした雰囲気があるという。それは5連勝を達成してJ2に昇格した、2016年シーズンのチームと似ている。片野坂監督は「昇格と残留とでは異なるし、監督初年度(2016年)と今とでは状況が全く違うし、プレッシャーも異なる」と話すに留まったが、「あの時と同じように開き直るしかない」とも。
崖っぷちの状況に変わりはない。しかし、過去2シーズンの鹿島とのアウェーは連勝中。15位の湘南、16位の清水の結果に左右されるとはいえ、残り3試合で勝点9を積み上げることができれば、おぼろげながら残留への道が見えてくる。
いずれにせよ、運動量で相手を上回らなければ話にならない。チーム全員が、3試合までに残された時間の全てをサッカーに捧げて試合に臨まなければ、残留の芽は決して膨らんではくれない。
写真は全て大分フットボールクラブの提供
適度にリラックスした雰囲気で練習する選手たち
(柚野真也)