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春高への切符は譲らない! 男子シード4校の挑戦 大分南 敗戦を力に変え王座奪還 【大分県】

春高への切符は譲らない! 男子シード4校の挑戦 大分南 敗戦を力に変え王座奪還 【大分県】

 高校バレーの集大成となる「春高」への挑戦が始まる。全国大会への切符は、わずか1枚。3年生にとって最後の大舞台を前に、県内の強豪校はそれぞれの課題と向き合い、チームを磨き上げてきた。果たして頂点に立つのはどこか。全日本バレーボール高校選手権大会(春の高校バレー)県予選の開幕を前に、男子シード4校の戦力や注目選手、勝負のポイントを紹介する。第2回は県高校総体決勝で宿敵・大分工業に敗れ、王座を明け渡した大分南。敗戦を機にチームを見つめ直し、守備の強化や攻撃の多様化、意識改革に取り組んできた。

 追われる王者から、再び挑戦者へ。大分南が雪辱を期して最後の大会に臨む。現3年生が1年だった2024年の県高校総体で大分工業に敗れて以降、県内の主要大会で勝利を重ねた。勝つことが当たり前となり、いつしか追われる立場が定着した。しかし、今年6月の県高校総体決勝では、その大分工業に0―2のストレート負け。2年ぶりに全国への切符を逃した。

 「勝ち続けてきたことで、気負いや慢心、油断もあった。今回は挑戦者として変わらなければ勝てない」。柿原茂徳監督は敗因を冷静に受け止め、チームの意識改革に着手した。選手たちも「なぜ負けたのか」を問い直し、一つずつ課題と向き合ってきた。

 高さで圧倒するチームではない。だからこそ、レシーブをはじめとする基本を改めて徹底。セッターの仲本路惟(3年)が攻撃を組み立て、エースの嵯峨史都(同)らが決め切る。従来のコンビバレーに磨きをかけながら多彩な攻撃パターンも増やした。

県高校総体以降は基本プレーを徹底した

 選手層の底上げにも力を注いだ。中心となる3年生に加え、下級生も力を伸ばし、ポジション争いは激しさを増している。同じポジションを複数の選手が争える状態をつくったことで、誰がコートに立っても力を発揮できるチームへと、着実に進化を遂げている。

 技術面と並行して取り組むのが、以前から続けているブレイントレーニングだ。柿原監督が求めるのは、「全員がキャプテン、全員がエース」という意識。県高校総体後にキャプテンが嵯峨から仲本に交代。司令塔としてチームを動かしてきた仲本に新たな責任を与え、さらなる成長を促した。

 仲本もその期待を自覚している。「一つ一つの練習に時間をかけてきた。ディフェンス力も上がったし、ミドルだけに頼らない攻撃のバリエーションも増えた」。キャプテンとして周囲に目を配りながら、チームの変化に確かな手応えを感じている。

王座奪還が最低限のノルマとなる

 エースの嵯峨にとって、県高校総体の敗戦は忘れられない。「県総体では最後までコートに立つことができず、悔しさが残った。エースとして苦しい場面でも冷静に決め切りたい」と、敗戦を胸に刻み、前を向く。大久保希音(3年)も「県総体では油断があった。リードしていても気を抜かず、自分に任された仕事をきちんとこなしたい」と、自らの役割を見つめ直す。

 3年生の言葉に共通するのは、県高校総体の敗戦を単なる悔しさで終わらせていないことだ。自らの弱さを認め、足りなかったものを埋めるために練習を重ねてきた。勝ち続けていた頃には気付けなかった課題が、チームを変えるきっかけとなった。

 一度は譲った頂点を、もう一度奪い返す。その先に見据えるのは全国ベスト4。王者の看板を背負うのではなく、挑戦者として一戦一戦を勝ち抜く。敗戦から学んだ大分南が、再び頂点を目指す。 (甲斐理恵)


大会結果

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