
【指導者の肖像〜高校スポーツを支える魂〜】 信じる力が未来を変えていく 柳ケ浦高校バスケットボール部監督・中村誠(前編)
バスケ
第74回全国高校バスケットボール選手権大会県予選
10月31日 大分舞鶴高校体育館
女子 決勝
大分113―58明豊
悲願の全国大会初出場を決めた―。大分中学に女子バスケ部ができたのが2015年、その3年後に高校でも創部し、中高一貫で強化してきた。これまで幾度もチャンスはあったが、ようやく手にした全国行きの切符。楠本哲二監督は、「時間はかかったが、ウインターカップ(全国高校選手権大会)を目標に立ち上げたチーム。ようやく大分県ではなく全国で勝つことが目標と言えるチームになる。ここを歴史の始まりとしたい」と万感の思いに目頭を熱くした。
夏の王者・明豊との決勝は、両チームともに立ちあがりの動きが重かった。開始2分半が過ぎても互いに得点が動かなかった。「見えないプレッシャーを感じていた」と楠本監督。その重苦しい雰囲気を破ったのが1年の緒方梨乃だった。この試合38得点と大爆発、インサイドとミドルレンジからのシュートを次々と決めた。さらに第1クオーター(Q)終盤には岐津桜華(2年)が3本の3点シュートを決めて、一気に点差を広げた。
第2Q以降は、課題としていた守備とリバウンドが機能した。ゾーンとマンツーマンでの守備を使い分け、最後まで集中して相手に流れを渡さなかったのは成長の証だ。攻撃では、大会1週間前に右手を負傷した梶西未知(2年)が緩急をつけた試合運びで試合をつくり、アシストを量産。下級生を支える3年生は終盤にコートに立ち、リードを保ったまま試合を終わらせた。全てがかみ合い、機能した大分が盤石の強さを発揮し、頂点に登り詰めた。
ここから先は初めて経験することばかり。不安も期待も入り混じるが、大分の新たな挑戦が始まる。
試合をコントロールした梶西未知
後藤楓花(3年)
今まで一生懸命に練習をしてきた。優勝できてうれしい。昨年(ウインターカップ県予選)の決勝で先輩が悔しい思いをしたのを見ていた。今年こそはとの思いは強かった。これまでの試合で最高のプレーができたと思う。
酒井鈴音(3年)
県総体に出場できず、ここまでやり場のない悔しさがあったが、今日の優勝で全てが報われた。これまでやってきたことは無駄ではなかった。ウインターカップでは、まずは一勝したい。
梶西未知(2年)
(負傷した)手の痛みはあったけど、そんなことを言い訳にできる状況ではなかった。これまで練習してきたディフェンスとリバウンドの意識が高く、徹底できた。今日の試合は勝つことが全てだったので100点満点。
岐津桜華(2年)
毎日のシュート練習が結果につながった。自信を持ってシュートを打てた。試合に飢え、優勝に飢えていた。勝つことでしか得られないものがある。ウインターカップは大分高校初の全国大会への挑戦。思い切り自分のプレーを出したい。
緒方梨乃(1年)
全国大会に行くことの実感があまりない。自分のタイミングでシュートを打てたら点が取れると思っていた。3年生と全国大会に行けるのはうれしい。ウインターカップではガツガツしたプレーで点を取る。
(柚野真也)
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