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ウインターカップ県予選特集 バスケットボール(2)男子 柳ケ浦 大黒柱を失うも、気持ちを一つにリスタート

ウインターカップ県予選特集 バスケットボール(2)男子 柳ケ浦 大黒柱を失うも、気持ちを一つにリスタート

 大詰めを迎える全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)への出場権を懸けた県予選。ここでは男女の優勝候補2校と今大会の注目選手を紹介する。第2回は男子の柳ケ浦。大会連覇とともに、夏の全国高校総体(インターハイ)に続く、夏冬連続の全国大会出場を目指す。

 

 今夏のインターハイで2勝し、過去最高順位となる16強の成績を残した柳ケ浦。全国での手応えが自信となり、さらに成長を重ねながら、2年連続4回目のウインターカップ出場を目指す。

 しかし、インターハイ後にチームに大きな変化があった。大黒柱だったモンゴル人留学生のガンホヤグ・ドゥルグーン(3年)が、バスケットボール3人制の18歳以下の世界大会に母国代表として出場。活躍が認められ、米プロバスケットボールNBAを目指して渡米した。チームのトップスコアラーであり、ゴール下の要が抜けることは大きな痛手。「ドゥルグーンの抜けた穴は大きくなるのは分かっていたし、本人も決断をすごく迷っていたが後押しした」と、柳ケ浦で15年指導してきた中村誠監督にとって苦しい決断だった。

 

 選手たちにも動揺が走ったが、「自分たちだけで勝てることを証明したい」と気持ちを切り替え、チームの再構築を図った。決して簡単な作業ではなかったが、ドゥルグーン一人に頼っていたわけではないとの自負もある。ウインターカップに出場することを目標に柳ケ浦に来た選手ばかりだ。自分たちの存在価値を高める時間だったに違いない。「これまで勝てていた相手にも気が抜けない勝負が続く。一戦一戦、自分たちがやるべきことをやるしかない」と中村監督。前回王者ながらチャレンジャーとして勝負に挑む。

 

中村監督の下、早急にチーム再構築を図った

 

 チームの中心となるのは3年生だ。高い技術を持ち、統率力も併せ持つキャプテンの木原光晴を筆頭に、得点力に秀でた比嘉奨希、ディフェンス力の嘉数涼介、高さの黒木光矢、アシスト力の高い原大樹。それぞれが自分の特徴を生かして役割を果たせる、能力の高いメンバーが集結。個の能力の高さがチームの一つの特徴だったが、中村監督は「高さがなくなった分、チームプレーを意識しなければ勝てない」と、これまで以上にベンチも含めて“全員で勝つ”という意識が高い。

 

 ウインターカップ出場を達成できなかった先輩たちや3年間試合に出場できないまま高校生活を終えるチームメート。輝かしい成績の裏には必ず陰で支えてくれる仲間がいる。「いろんな人の思いを背負いながらも、自分が輝ける大会にしてほしい。3年間の集大成として、かっこいいプレーが見たい」と期待を寄せる中村監督。リスタートした前回王者が、最高のプレーで会場を湧かせてくれることだろう。

 

県高校総体で優勝した柳ケ浦

 

 

(黒木ゆか)

大会結果

2023年度