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春の高校バレー県予選企画 女子(2) 大分商業 3年の月日を積み重ねた集大成のチームが頂点を狙う

春の高校バレー県予選企画 女子(2) 大分商業 3年の月日を積み重ねた集大成のチームが頂点を狙う

 高校バレーボールの集大成の舞台である「春の高校バレー」の季節がやってきた。今月30日から県予選がスタートし、全国への出場権を懸けた熱い戦いが続く。ここでは有力校の現状と今大会の注目選手をピックアップする。

 

 10年近く、東九州龍谷(東龍)対大分商業の決勝のカードは変わっていない。そして、大分商業は何度も王者の前で悔し涙を流してきた。「今年こそはの思いは強い」と語るのはエースであり、キャプテンの嵯峨暖菜(3年)。身長170センチ、最高到達点298センチは県内トップクラス。抜群の跳躍力から打ち抜くスパイクと変化の読みにくい強烈なジャンプサーブで得点を量産する。彼女が入学したときに強化3カ年計画が始まり、今年が集大成の年となる。

 

 嵯峨と秦佳叶(同)は1年生の頃からコートに立ち、三浦華(同)は昨年の春の高校バレー県予選から正セッターとして試合に出続けて経験を積んだ。森栄一郎監督は「東龍に勝つためには単年度で勝負できない。これまでの上級生が我慢してくれたから今がある。だからこそ結果で恩返ししなければいけない」と事あるごとに選手に伝えてきた。

 

チームの雰囲気は良く、仕上がりも良い

 

 3年の月日を積み重ねたチームは森監督の理想といえるチームとなった。先発メンバーは170センチ前後の選手が多く、決して高さのあるチームではないが機動力があり、レシーブに優れた選手も多くバランスがいい。森監督が「粘ればどうにかなる」と確信を持てたのは、先月の天皇杯・皇后杯全日本選手権大会九州ブロックラウンドで大学の強豪・鹿屋体育大学(鹿児島)戦で互角以上の試合をしたことだ。フルセットの末に敗れたが、この夏に強化したレシーブが機能し、20点目以降の試合の進め方も悪くはなかった。何より7月以降、試合ができずに「自分たちの力が計れなかったが、成長を感じて自信になったはず」(森監督)と感じた。

 

 大一番に向けてチームの雰囲気は良く、監督や選手の表情は柔らかく、気負いはない。森監督は「これまで緊張やプレッシャーで体がこわばることがあったが、このチームは練習で笑いがあり、いい意味でリラックスできている。コロナ禍で思うように練習や試合ができなかったことで、単純にバレーができる喜びを感じて楽しめている」と歩んできた日々に思いをはせた。体育館には昨年の春の高校バレー県予選敗戦後に、嵯峨が書いた決意表明の横断幕が掲げられている。「もう負けたくないし春高に絶対に行く」。

 

笑顔で優勝を目指す

 

 

(柚野真也)