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全国高校サッカー選手権県予選前企画(6) 大分工業 パス志向から勝負強いサッカーに変換

全国高校サッカー選手権県予選前企画(6) 大分工業 パス志向から勝負強いサッカーに変換

 全国高校サッカー選手権大会の県予選開幕前企画として注目校を紹介する。最終回は県高校新人大会、県高校総体ともに8強入りした大分工業。友成義朗監督の目指す「ボールも人も動くサッカー」が形づくられている。先発メンバーは2年生が多く、調子の波はあるが、勝ち進めば勢いは増すはず。友成監督は「『チームに負ける気がしない』という空気が流れている」と手応えを感じている。

 

 好調時の大分工業はパスの流れによどみがなく、「人が動いているところにボールが入るイメージ」と友成監督。全員がゴールの形を共有でき、シュートで終わる。攻守の切り替えが速く、ボールを失ってもすぐに奪い返し攻撃の時間は長い。だが自分たちのスタイルにとらわれ過ぎると、力で押し切ってくるチームやパスワークで上回る相手に対し、臨機応変にプレーできなくなることもあった。

 

大会に向けて調子は上向きの大分工業

 

 課題解決のため、夏休みは最後の部分にこだわり、強引であってもシュートを狙う意識を植え付けた。2年生ストライカーの迫宗次郎らは、「ボール保持」という哲学を崩してでも、相手の背後を突く縦のプレーを意識し、よりゴールに直結する動きが増えた。勝利の鉄則として得意なものを磨くのは当然だが、それだけでは相手に研究される。「自分たちに不足していたものを取り込み、相手の出方に応じて多様に勝負できるようになった」(友成監督)。

 

 さらに一発勝負のトーナメントを勝ち上がるために、無駄な失点をしないための守備構築も図った。GKでキャプテンでもある増田海斗(3年)と安定感が出てきた山本玲央(2年)を軸に、ロングボールを放り込まれても跳ね返す力が備わった。最少失点に抑えれば攻撃力が高いため勝機は増える。拮抗(きっこう)した試合においては三重野秀人(3年)の精度の高いプレースキックによる得点パターンも増えており、きれいなサッカーから勝負強いサッカーに変換している。

 

セットプレーからの決定機が増えている

 

 

(柚野真也)

大会結果