現役プロが熱血指導 大分に広がる「バスケの灯」 【大分県】
バスケ
藤蔭高校 心的成長の先に見えた、チームのあるべき姿
バスケットボール女子 ウインターカップ県予選(2)
高校3年生にとって最後の大会となる全国高等学校バスケットボール選手権大会、通称ウインターカップの出場権を懸けた2次予選が始まる。優勝候補となるシード4校に迫る。
第3シード 藤蔭高校
部員27人(うち3年生6人)
静岡県から今年3月に赴任した芦川尚子監督が、まずチームに対して抱いた思い。それは「個人能力が高い選手が多くいるにも関わらず、試合になるとその力を十分に発揮することができていない」というもどかしさだった。インターハイへの切符をかけて挑んだ県高校総体では、ライバル・大分商業の壁を越えることができず3位敗退。81ー83と僅差のスコアではあったが、「点差以上に実力差が現れた試合だった」と芦川監督は唇を噛む。
過度な緊張やプレッシャーを跳ね除け、コート上で藤蔭のバスケットボールを100%発揮する。そのために必要なこと、それは技術指導以前の意識改革。親元を離れ、寮生活を送る選手たちに与えられた課題は、まず自身の日常生活を見つめ直すことから始まった。すると彼女たちが競技に取り組む姿勢は明らかに変化し、様々な場面で選手らの自主性が見られるようになった。
ウインターカップ県予選を目前に控えた今、チーム内の雰囲気は上々。主将の平川あいか(3年)は、「相手へのリスペクトを忘れずに、まずは自分たちが大好きなバスケットボールを楽しんできたい」と笑顔を見せる。技術面の課題はいかにしてリバウンドを制するか。セカンドチャンス、サードチャンスを生かした有機的プレーを実践したい。上背のあるチームではないが、豊富な運動量を武器に勢いのあるバスケットボールで勝負をしていく。一戦必勝、目の前のゲームに全力を尽くして戦う。
試合に向けてチームの雰囲気は上々
総合評価 B
先発5人のほかにもタレントがそろい、選手層に穴はない。得点源となるのは高確率な3ポイントシュートを武器にする主将の平川や、高い得点力はもちろん、大きな声でいつもチームに元気を引き寄せる西田恵菜(2年)。課題となるリバウンド力については、中島梨奈(3年)の仕事が鍵になる。ほとんどの選手が寮生活を送り、寝食を共にしているためメンバーの結束は強い。
- 得点力
- ★★★★★★★★☆☆8
- リバウンド力
- ★★★★★★☆☆☆☆6
- パス能力
- ★★★★★★★☆☆☆7
- 3ポイント
- ★★★★★★★★☆☆8
- フリースロー
- ★★★★★★☆☆☆☆6
- 守備力
- ★★★★★★★☆☆☆7
- サイズ
- ★★★★★★★☆☆☆7
- 経験
- ★★★★★★☆☆☆☆6
タレントがそろい一気に優勝に到達する可能性を秘める
(塩月菜央)