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全国高校サッカー選手権県予選前企画(3) 中津東 独自のスタイルで頂点を目指す

全国高校サッカー選手権県予選前企画(3) 中津東 独自のスタイルで頂点を目指す

 全国高校サッカー選手権大会の県予選開幕前企画として注目校を紹介する。第3回は6月の県高校総体でベスト4となり、チーム全体にポジティブな雰囲気が流れ込んだ中津東。7年ぶりの全国高校サッカー選手権大会出場を目指す。

 

 県高校総体で4強入りしたことで自信を深め、「高円宮杯JFA U-18サッカーリーグ2021 OFAリーグ(OFAリーグ)」では1部昇格に向けて、視界は良好だ。県北の雄として、これまで数々の実績を残した中津東だが、ここ5年は優勝から遠ざかっている。今年4月に赴任した首藤啓文監督は「プレーに個性がある選手が多かった。それぞれの感性でプレーしていたので、方向性を示した」。それはチームスタイルに選手をはめ込むのではなく、あくまでも選手の個性を引き出すものだった。

 

 「感性を合わせる作業を意識させた」(首藤監督)ことで県高校総体ではすぐに結果は出たが、チームづくりはまだまだこれから。キャプテンの村本輝(3年)は「コミュニケーション能力は高くなり、声も出るようになったが、守備は粘り強さが必要だし、攻撃も改善する点はある」と話す。1対1やヘディングが強い村本は、けがで県高校新人大会と県高校総体に出場しておらず、今大会では完全復帰すれば、そのままチームの上積みとなりそうだ。

 

チーム状態は上々の中津東

 

 攻撃はそれぞれの感性がかみ合ったときは爆発力を生み出すが、実力が拮抗(きっこう)した相手とこう着した試合では、“違いを生み出す”までには至っていない。それでも太田華憂(3年)や国広雄陽(同)ら前線のドリブラーがアクセントを付ける。「決してスピードがあるわけではないが、クネクネして面白い」との首藤監督の言葉は言い得て妙。緩急と駆け引きで抜き去り、そこにボールを持っていない選手が寄り、ボールを受けてそれまでと違う方向にボールを持って出る「スイッチプレー」で相手を惑わせる。

 

 パスサッカーを志すチームが多いが、中津東はドリブルを生かした独特のスタイルを築き、頂点を目指す。選手は「チームの状態は上向き。自分たちのサッカーに自信を持って試合ができている」と確かな手応えを感じている。

 

独特のドリブルで抜き去る国広雄陽

 

 

(柚野真也)

大会結果