国スポ 期待高まるチーム大分 今年も千点以上目指す 【大分県】
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ボディビル・フィットネス 田代香織が苦難を乗り越え初優勝
ボディビル・フィットネス競技の「第40回九州・沖縄女子フィジーク選手権」、「第7回大分県ビキニフィットネスOPEN大会」が8月29日、別府市公会堂大ホールで行われた。
男子のボディビルと同じように、女性らしい筋肉美を表現する「女子フィジーク」で優勝したのは大会初出場の田代香織(TSUDAトレーニングジム・由布市)。完璧な仕上がりで他を圧倒し、表彰式後に「感無量です」と笑顔を見せた田代だが、ここまでの道のりは決して平坦ではなかった。
田代がフィジークを始めたのは3年前、40歳の頃。「筋ジストロフィーを患った子どもを抱えられるように筋肉を付けたい」と大分県ボディビル・フィットネス連盟の理事で、TSUDAトレーニングジムの代表を務める津田貴之さんに相談したのがきっかけ。昨年1月に子どもを亡くしたが、「今やめたら子どもに失礼。子どもが残してくれたものを極めたい」と初七日の前にジムを訪れ、周囲を驚かせたという。
そこから大会出場を目指し、トレーニングに打ち込んだ田代に「大変だったのでは?」と問うと、「家族が応援してくれるし、空いた時間を使っただけ」と照れたように笑った。しかし、その言葉の裏には母としての強い思い、揺るぎない意志が隠れていた。
津田理事は「田代さんはとにかくストイック。妥協するところを見たことがない」と話す。努力すれば必ず成果が出るという筋力トレーニング。初出場・初優勝の快挙は田代のひたむきな努力と思いの強さが実を結んだ、ある意味“当然の結果”と言えるのかもしれない。
最後に「トレーニングを通して、前向きな姿勢を学んだ。興味があれば、いろいろ考えず、まずはトライしてほしい」と後進へのアドバイスを送った田代。今後どう飛躍していくのか、期待が高まる。
女子フィジークで優勝した田代香織
「ビキニフィットネス」ではこれまで数々の実績を持つ内田織恵(佐伯市)が、堂々としたステージングで優勝した。バランスの取れた筋肉や肌の色つや、態度に品があり、女性らしく健康的なプロポーションが審査対象となるビキニフィットネスは、競技としての歴史は浅いが、筋肉美を競うフィジークとはまた違った面白さがあり、ファンも多い。
ボディビル・フィットネス競技において、県内の女子競技人口はまだまだ少ないが、今大会は九州大会と比較しても遜色ない数の選手が参加した。津田理事は「近年ホームページを作ったり、SNSを活用したり、PRに力を入れてきた成果が出た」とうれしそうに目を細め、「今後は全国で活躍できる選手を育成し、大分のボディビル・フィットネスを盛り上げたい」と展望を語った。
ビキニフィットネスに参加した選手たち
(甲斐理恵)