大分上野丘高校ラグビー部 佐藤武信(3年) file.827
ラグビー
勝利こそ、すべて ラグビートップリーグ選手スペシャルインタビュー
インタビュー
田村優×嶋田直人(キヤノン イーグルス)
ラグビー国内最高峰のトップリーグ第5節が24日に開催される。ホワイトカンファレンス7位のキヤノンイーグルスは、同2位のヤマハ発動機ジュビロを準ホーム・大分銀行ドームで迎え撃つ。
キヤノンは開幕から4試合未勝利、本調子にはまだ程遠い。初勝利を上げるために必要なことは何なのか。創造性豊かな司令塔であり、ゴールキッカーとしての評価も高い新加入の日本代表スタンドオフの田村優と、昨季のリーグ戦全15試合に先発出場し、豊富な運動量で献身的なプレーをするフランカー嶋田直人。チームの主力である2人に勝利への秘訣を聞いた。
ハイテンポ・ラグビーで相手を凌駕する
Q:今季リーグ戦4試合を振り返っての感想は?
田村:良くないです。僕自身、チームが変わり戸惑っていることもありますし、代表やサンウルブズの活動で疲れが抜け切れていない部分もあります。ただ、勝てばすべてが解決できると思っています。
Q:今年のチームの特徴は?
嶋田:ハイテンポなラグビーを春先から目指しています。相手陣内に入ったときに、ボールをどんどん動かしてトライを奪いにいくラグビーです。あとはセットプレー。スクラムやラインアウトは緻密さを求められています。
Q:チームの成熟度はいかがですか?
嶋田:スクラムは春に比べるとどんどん良くなっています。ラインアウトは徐々にやることが整理されています。次のヤマハ戦は楽しみです。
Q:新加入選手としてチームからの期待も大きいと思われますが、求められているプレーは何だと考えていますか?
田村:毎試合チームはテーマを設けています。局面での判断を、そのテーマに沿ってプレーすることを心掛けています。
Q:チームの馴染み具合はいかがですか?
田村:大学で一緒にプレーした仲間もいるし、みんなウエルカムなんで馴染みやすい環境にもっていってくれたと思います。久しぶりにラグビーを楽しめているし、チームは負けてはいますが雰囲気は良いです。
勝てばすべてが変わる。その過程が成長となる
Q:久しぶりにラグビーを楽しめているとは?
田村:前回のワールドカップが自分のラグビー人生の全てでした。やり切ったなかで、今後の自分のラグビーキャリアをどうしようかと悩んでいたときに環境を変える必要があるという考えに至りました。前に所属していたチーム(NEC)も素晴らしく、居心地も良かったんですが、環境を変えて自分のレベルをもう一度上げたいと思えるようになってラグビーに対する意識が変わりました。
Q:前回のワールドカップで史上最高の結果を残した日本代表の主力選手でしたが、大会が終わった後は燃え尽きたのですか?
田村:すべてをつぎ込みましたからね。決勝トーナメントには進出できませんでしたが2勝し、目標を達成したのでラグビーを辞めてもいいと思っていました。ただ、ラグビーが好きだったし、もう一度ラグビーに本気で取り組むためには環境を変える必要がありました。今は純粋にラグビーが楽しいです。
Q:ワールドカップ後はラグビー観が変わりましたか?
田村:どのように変わったかと具体的には言葉で現せませんが、間違いなく影響はありました。勝ったことがすべて。負けていれば何も残らなかったと思います。
Q:ワールドカップでの貴重な体験を、今後キヤノンでどう生かしたいですか?
田村:先ほども言いましたが、勝てば何かが変わると思います。僕1人では何かができるわけではないですが、勝てばそれが良い流れになるきっかけになるはずです。今はヘッドコーチがいない状況で、勝つために何が必要かをみんなで考えてプレーするのは成長につながる時間だと思っています。
大分のラグビーファンに最高のパフォーマンスを見せたい
Q:では、ヤマハ戦の見どころは?
嶋田:両チームともセットプレーにこだわっているので、そこの勝負を見てもらいたいです。
Q:「俺のこのプレーを見てほしい」というのがあれば。
嶋田:フランカーというポジションは、タックルなどのコンタクトエリアでの仕事が多いので、どれだけボールの接点を作れるかを見てほしいです。
田村:僕はみんなが活躍しないと活躍できないポジション。僕と言うよりチームがどんなパフォーマンスができているのか見てほしいです。
Q:最後に大分のラグビーファンにメッセージをお願いします。
嶋田:大分では毎年試合をしているので、いいパフォーマンスをして勝つ姿を見せたい。多くの方にラグビーの魅力を伝えたいので、会場に足を運んでください。
田村:僕はメンバーに選ばれたら大分でプレーするのが初めてとなります。まずはメンバーに選ばれるように練習からアピールして、いいコンディションで皆さんの前でプレーできるように準備したいです。
■プロフィール■
田村優/1989年1月9日生まれ。愛知県出身。181cm、92kg。ポジションはスタンドオフ。創造性豊かなプレーメーカーであり、精度の高いゴールキックを武器とする。日本代表の主力として活躍する。今季4試合10得点。
嶋田直人/1991年5月21日生まれ。京都府出身。180cm、98kg。ポジションはフランカー。今季キヤノンで4年目を迎えるチームの主力。豊富な運動量で献身的にプレーする“チームマン”。今季4試合出場。
(柚野真也)