
珠玉の一枚 Vol.40 【大分県】
剣道
創部初年度から県王者となり、全国でも優秀な成績を残している明豊。その強さに触発されるように近年、大分県の剣道のレベルは飛躍的に上がっている。3月に開催された全国高校剣道選抜大会では大分国際情報が3位に輝き、ベスト16に終わった明豊は初めて“追われる立場”から“追う立場”になった。
「選手たちに火がついた」と当時を振り返る岩本貴光総監督の言葉通り、5月に行われた県高校総体では見事、団体で6連覇を達成。王者として堂々と全国への切符をつかんだ。
今年のチームは2年生が中心となる。実力と人間性を兼ね備え、チームをけん引する大将の蔵座透真(2年)は「目標は日本一。自分を犠牲にしても1本取る」と、間近に迫った全国の舞台へ向けて並々ならぬ闘志を燃やしている。他にも、ミスが少なく、ここ一番に強い副将の飯田大翔(同)や、アグレッシブで技のキレ、スピードに定評がある児玉一輝(同)など、全国トップクラスの選手たちの日本一への信念は揺るぎない。
2年生に触発され、脇を固める3年生の調子も上向きだ。主将の宮ノ内樹(3年)、豪快な剣道が持ち味の岸本龍輝(同)は、最上級生としての自覚と誇りを持って大会へ臨む。
県高校総体では創部以来6連覇を達成した明豊
コロナ禍において、敵は対戦する相手選手だけではない。感染症対策を徹底している剣道競技はマスクとマウスシールドを併用するため、剣道において重要な、気迫を伝える発声がしづらい。打ち込んだ後の鍔(つば)ぜり合いも禁止されるなど、戦い方の変更を余儀なくされた選手も多いという。
しかし悲壮感はない。「みな条件は同じ。勢いに乗り、それぞれのポジションが役割を果たせば勝てる。それだけのことはやってきた。特に3年生にとっては、これまでの集大成となる。譲れない試合として力を尽くしてほしい」と岩本総監督。宮ノ内も「これまでの試合でわかった、自分たちに足りない技術を磨いてきた。あとは自分たちを信じて、戦うのみ。昨年(新型コロナウイルスの影響で)出場できなかった先輩たちの思いを背負って戦いたい」と揺るぎない決意を語った。悲願の日本一へ向け、全員が全力を尽くす。
全国高校総体の剣道は8月9日から、石川県金沢市のいしかわ総合スポーツセンターで開催される。
全国高校総体では日本一を目指す
(甲斐理恵)
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