
音に心を込めて飛躍の年に 別府翔青高校吹奏楽部 【大分県】
カルチャー
「考えて、感じて、歌う」をモットーにソプラノ、アルト、テノール、バスの混成4部合唱で喜びや悲哀を奏でる大分舞鶴の音楽部。8月は1日に行われる「第76回九州合唱コンクール大分県大会」、6日の「全国高校総合文化祭(全総文)」と大きなコンクールが続き、総仕上げの最中だ。
部員は3年生10人、2年生14人、1年生10人。「ここ数年で一番多い」と部長の須賀百香(3年)。進学校であるがゆえに夏休みも補講や塾など、全員がそろうことが極めて少ない。コンクールに向けて不安は募るが、須賀は「仕上がりは悪くない。それぞれの個性を出していつも通りに歌えば大丈夫」と話し、長田聖(同)は「本番に強いのが舞鶴の特徴。変な緊張感もなく、学年、パート関係なく言いたいことを言える環境がある」と手応えを感じている。
明るく部員を引っ張る足立泰誠(左)と長田聖(右)
2つのコンクールでは楽しげな課題曲の後に、平和への願いをテーマとした自由曲を選んだ。顧問の梶原敦美先生は「重たいテーマではあるが、このメンバーであれば曲を理解し、表現できる。音のボリューム、高低差で厚みを出すことができる」と期待する。メッセージ性の強い曲であるからこそ、ダイレクトに聴衆に響く。「曲のテーマとカラーが違う曲を繊細さと大胆さで表現することを考えた」(須賀)と時間をかけて難題と向き合った。
昨年はコロナ禍で発表の場が次々と奪われた。全総文は初めての全国舞台となるが、「県代表として、これまで積み重ねたことを発揮したい。緊張すると思うが、貴重な機会なので楽しみたい」と足立泰誠(同)。限られた練習時間で、頭と心で詩や作曲家の意図をくみ取り歌ってきた。大舞台で一音一語に魂を込める。
2つのコンクールに向けて準備を進める部員たち
(柚野真也)
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