県高校野球選手権 投手陣でつかんだ優勝 柳ケ浦、接戦制し夏へ弾み 【大分県】
野球
ラストバトル〜3年生、最後の戦い〜 高校野球 重圧に耐え、甲子園の切符をつかんだ明豊 目指すは日本一
第103回全国高校野球選手権大分大会
7月25日 別大興産スタジアム
決勝
大分舞鶴 000 000 000|0
明 豊 111 010 20×|6
センバツ準優勝の明豊が大分舞鶴に6−0で勝ち、4年ぶり7度目の優勝を果たした。2009年以来の春夏連続の甲子園出場となった川崎絢平監督は、「センバツで準優勝してからの3カ月、(負けは許されないという)プレッシャーがあった。その中で選手は重圧に耐え、危機感と緊張感と謙虚さを一日たりとも忘れずに練習に取り組んでくれた。誇らしいチームになった」と選手を称えた。
日本一を目標に掲げるチームは、「(センバツの決勝で)負けて帰ってきた日から、自分たちには何が足りないか話し合った」とキャプテンの幸修也(3年)。川崎監督が発した「危機感と緊張感と謙虚さ」を突き詰めた結果、これまでやってきたことを変えずに、チャンスを確実に得点に結びつけ、負けない野球を突き詰めた。
積み上げた自分たちのスタイルが形になったのが、初回の攻撃だった。四球と黒木日向(3年)の右安打で無死一、二塁とした場面で、送りバントで一死二、三塁とし、4番の米田友(3年)の犠飛で1点を先制して試合の流れをつくった。二回、三回にも犠打や足を絡めた攻撃で着実に加点。ビッグイニングはなかったが先制、中押し、ダメ押しと理想的な展開となった。黒木は「センバツ後はあらゆる場面を想定して、一球に対する思いが強くなった。練習の成果が出たと思う」と胸を張る。
春夏連続の甲子園出場を決めた明豊
投げてはエース京本真(3年)が、川崎監督が掲げた「勝つより負けない野球。ピッチャーを中心とした守り勝つ野球」を体現する。「エースとしての役割を果たせた」と自身も納得の投球だった。9回を3安打8奪三振の完封で相手に付け入る隙を与えなかった。フォームに力みがなく、140㌔前後の直球と緩急をつけた変化球で凡打の山を築き、勝負どころではギアを上げて三振を奪う。川崎監督は「素晴らしいピッチングをしてくれた。ウチは継投のチームだが、夏の甲子園に向けて軸となるピッチャーが出てきてほしかったが、京本は(背番号)1に相応しい選手になった」と納得顔だ。
投打がかみ合い、センバツ準優勝の実力通りの結果となったが、幸の第一声、「優勝できたことは素直にうれしい」とは掛け値なしの本音だろう。負けない野球に徹し、甲子園の出場権を手にしたが、「自分たちの力はこんなものではない」と監督も選手も思いは同じだ。「これからはプレッシャーから解放され、伸び伸びプレーができる。目標は日本一だが、結果は後からついてくる。本戦までに100ある力を目いっぱい出せるようにしたい」と川崎監督。
日本一へ駆け上がる物語が始まる。
9回3安打8奪三振の京本真
(柚野真也)