OITA SPORTS

7/1 TUE 2025

supported by

創美社

野球 野球

ラストバトル〜3年生、最後の戦い〜 高校野球 木戸が打てば勝つ「勝利の方程式」で柳ケ浦が初戦突破

ラストバトル〜3年生、最後の戦い〜 高校野球 木戸が打てば勝つ「勝利の方程式」で柳ケ浦が初戦突破

第103回全国高校野球選手権大分大会

7月11日 別大興産スタジアム

2回戦 

柳ケ浦  000 001 500|6

三重総合 011 010 020|5

  

 シード校といえども初戦の入りは難しいようだ。第1シードのセンバツ(選抜高校野球大会)準優勝の明豊が3−2の僅差で勝ち上がったように、第3シードの柳ケ浦にとっても初戦は鬼門だった。藤久保茂己監督が「試合の入りから硬かった」と振り返るように、ベンチの雰囲気もプレーも、いつもとは違った。

 

 三重総合との試合は、序盤に先制、追加点を奪われて打線も沈黙。無得点に抑えられた五回、先頭打者となった四番・木戸達哉(3年)が左前二塁打を放つ。「自分が打てばチームが勢いづく」とチーム初安打を記録。後続が倒れ得点にはつながらなかったが、「ベンチがいけるという雰囲気になった」(藤久保監督)。

 

初戦突破に貢献した木戸達哉

 

 主砲の一打で流れをつくった七回はビッグイニングを迎える。四球や犠飛で同点とし、二死満塁の場面で木戸がバッターボックスに立った。六回一死満塁の場面で空振り三振に終わったことなど、頭になかった。「俺が絶対に決めてやる」。新チームとなった昨夏から四番に座り、好不調の波はあったが一度も四番を外されたことはなかった。絶好のチャンスに燃えないわけがない。

 

 狙い球を絞らず、「来た球に反応して打つ」という感覚派は、外角のスライダーを逆らわずにはじき返し、右前適時打で逆転に成功すると、塁上で派手にガッツポーズしベンチやスタンドを湧かせた。守っては4人の投手をリード。「持ち味が違うので、良さを引き出すのは難しかった」と最後まで楽な展開はなかったが、初戦突破に貢献した。

 

 「木戸が打てば勝つ」(瀬戸学部長)という“勝利の方程式”は、この試合でも崩れることはなかった。苦しみながら手にした勝利で緊張は溶けた。藤久保監督の「お前たちの力はこんなものじゃない」との激励を受け、木戸は「次は爆発します。俺を見といてください」といつもの冗舌が戻ってきた。お祭り男の一打でチームは上昇気流に乗りそうだ。

 

 逆転打を放ち、気合いを爆発させた

 

 

(柚野真也)