
音に心を込めて飛躍の年に 別府翔青高校吹奏楽部 【大分県】
カルチャー
今日、幕が開けた「第103回全国高校野球選手権大分大会」。球児たちの熱戦が繰り広げられている。主役は選手たちであるが、大会パンフレットの表紙原画を制作して大会に花を添えたのが、鶴崎工業高校デザイン部の田中悟(3年)。鮮やかな色彩とダイナミックな構図で構成されたコンピューターグラフィックス(CG)が評価され、最優秀賞を受賞した。
制作に取り掛かったのは応募締め切りの2日前。顧問の先生から話を持ち掛けられ、すぐに作業に移った。「下書きを書かずに、好きな切り絵のような感じで構成しようと思った。まずはバッターが思い浮かび、次はボールの描線をどうしようとかと考えた」と田中。一つのイメージが浮かぶと湯水のごとくアイデアが湧き出て「あっという間に完成した」という。
最優秀賞を受賞した田中悟
タイトルの「熱協」は、「熱心に野球に取り組む野球部が、チーム全員で協力して大会に向けて練習していたのを見て思いついた」。作品のバックに燃え上がる炎が印象的。打者の青、投手の赤、ボールの黄色は、色の3原色を取り入れている。躍動感を出すために凹凸で立体感を出しテクスチャーを施すなど、ち密に練られた作品となった。
中学は美術部に所属し「デザインを学びたい」と鶴崎工業に入学。デザイン部に入り、CGで表現する感性と技術を磨いた。これまで、大分県共同募金会ポスターコンクールの県知事賞などの受賞歴がある。将来の夢はジュエリーデザイナーだったが、最近は「美術やデザインの楽しさを伝えたい」と教員を志す。
日本代表の侍ジャパンや高校野球を「観戦するのは好き」という田中。野球部には「暑さに負けず、それを超える熱い気持ちで乗り切ってほしい。甲子園を目指してほしい」とエールを送った。
「CGで表現することが楽しい」と語る
(柚野真也)
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