
音に心を込めて飛躍の年に 別府翔青高校吹奏楽部 【大分県】
カルチャー
3年生32人、2年生33人、1年生31人。総勢96人で奏でるメロディーは圧巻だ。そこにバトンやフラッグなど手具を用いたカラーガード(旗衛隊)が視覚表現を行い、ダイナミズムを生み出す。大分商業高校の吹奏楽部は今、3つの大きな大会に向けて大忙しだ。
県代表として出場する全国高校総合文化祭(全総文)のマーチングバンド部門に向けて、年明けから構想を練り、徐々に完成形に近づいている。平日の個人練習、パート練習に加え、最近は土日を使って朝から夕方まで、体育館で全体の音と動きを合わせる練習に時間を割く。顧問の上野浩一先生は「『音楽と動きを表現して観客を感動させたい』をテーマにイメージをすり合わせてきた」と話す。譜面通りに演奏するのはもちろん、音や動きに合わせて歩き方を統一し、楽器の上下動のタイミングなど、確認することは多岐にわたる。
音や動きを合わせダイナミズムを生み出す
人数が多いため、それぞれの部門のリーダーが役割をもってまとめる。部長の村上里胡(3年)は「ミーティングを繰り返して、それぞれの役割分担を決めて、ようやく形になってきた」と手応えを感じている。100人近い大編成がひとつになれば大音量の豊かなサウンドを響かせるが、ひとつ乱れれば立て直しが難しい。「みんなが同じ方向を向いたときの一体感を知っているから、そこを求めたい」(村上)と妥協はない。
昨年はコロナ禍で発表の場が奪われた。「今年は、先輩たちが発表できなかった思いを音で表現してほしい」と上野先生。全総文の練習と並行して、今月下旬には「県吹奏楽コンクール」に出場する。今年はスタンドに入れないが、甲子園を目指す野球部を応援するために球場で流す、“熱奏”の音源収録もこれからだ。「やることが多くて頭がパンパンだけど、どれも納得のいく形で終わりたい」と村上。11月には3年生にとって集大成となる「マーチングバンド全国大会」に向けての九州大会がある。大分商業吹奏楽部のマーチングに打ち込む日々は開演したばかりだ。
今月下旬から大きな大会が続く
(柚野真也)
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