冬の主役たち 弓道男子 切磋琢磨するライバルの挑戦(宇佐) 【大分県】
弓道
県高校総体 弓道男子個人 5射的中の五十嵐怜(大分東3年)が頂点に立つ
「素晴らしい相手がいたからこそ自分の力を出し切ることができた。自分一人で優勝できたわけではない。指導してくれた監督やサポートしてくれた親、チームメートの存在があったからこそ」。県高校総体の弓道男子個人戦で優勝した大分東の五十嵐怜(3年)は、試合後に感謝の言葉を口にした。
予選、準決勝は各自4射を行い、3中(的に当たる)以上が次のステージに進出する。55人が参加し、決勝に残ったのは7人。五十嵐は、会場に入ったときから不思議な感覚が宿ったという。「優勝するのだろうなと思えた。外すイメージが全くなかった。これまでそんな感覚になったことはないし、そんな自信もなかった」
高い的中率をみせた五十嵐怜
決勝は各自1本による射詰め競射。一射ずつ矢を放ち、的中した者が次の一射を行い、最終的に的中し続けた者が優勝となる。一射で4人に絞られ、二射で3人に。三射のときには県高校新人大会で優勝した高尾真叶(大分舞鶴3年)との一騎討ちとなった。中学からライバル関係にある2人。五十嵐は「ずっと追いかけ続けてきた選手だったが、意識しないように集中した」と射形を整えることに気持ちを切り替えた。
「外さないことを意識した」という五十嵐に対し、「当てることを意識した」という高尾。両者の対決は5射目で勝負を決し、五十嵐に軍配が上がった。初優勝となった五十嵐は「これまでやってきたことが報われた。弓道はもちろんだが、学校生活において整理整頓やゴミ拾いなど、細かなところまで毎日の生活を正した」と、心を整えたことを勝因に挙げた。最初で最後となる全国舞台。「団体であと一歩、全国に届かなかった3年生の思いを矢にのせたい」と力強く語った。
「全国では上位を目指す」と語った
(柚野真也)