
サッカーU―17日本代表 代表の誇りを胸に、平野稜太が世界へ挑む 【大分県】
サッカー
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、当初より1週間遅れとなる22 日から開催するサッカーの県高校総体。39校が参加する今大会は実力が拮抗(きっこう)しており、チャンスはどの高校にもある。大会直前特集として優勝候補と目される高校を紹介する。第2回は県高校新人大会で準優勝し、第2シードとなった鶴崎工業。
県高校総体前の最後の公式戦となった「高円宮杯JFA U-18サッカーリーグ2021 OFAリーグ」の6節大分トリニータ・セカンド戦は0−3で、いいところなく敗れた。試合後に松田雄一監督の雷が落ちた。「このままでは勝てる要素がないぞ。(ボールを)つなげない、運べない。ボロボロじゃないか。悔しくないのか」。県高校新人大会で準優勝し、九州大会に出場。チームにはどこか結果に対する満足感があったのかもしれない。松田監督はそこを指摘した。
今年のチームはパスサッカーを打ち出しているが、松田監督が求めるのは、しっかりとした守備がベースにあり、パスをつないで攻撃の糸口をつかむサッカーだ。県高校新人大会で勝ち進んだ理由の一つに、5試合で1失点の堅守があった。「攻撃中心で練習してきたが、攻撃は水もの」(松田監督)。だからこそ計算できる守備における、球際や1対1の必要性を説いた。「ウチは決して実力のあるチームではない。必死にプレーして成り立つ。勘違いしてはいけない」
ここ数試合は持ち味を発揮できていない鶴崎工業
キャプテンの瀬戸口智哉(3年)は、失点の重みを感じていた。橋迫翼(同)とセンターバックを組み、最近はチャレンジ&カバーの連係も良く、システムが変わっても柔軟に対応できていただけに、複数失点を許したことを反省。「気の緩みがあったのかもしれない。みんなの意識を変えて、もう一度、立て直したい」と再起を誓う。攻撃の中心となる幸優成(同)も猛省。「後ろからパスをつなぐのが自分たちのスタイルなのに、それができないでは許されない」
悪い流れを断ち切るために1週間の延期は鶴崎工業にとってプラス材料となりそうだ。松田監督は「トーナメントを戦う上で自分たちのスタイルも大事だが、相手の弱点を突くことは必要。シビアな戦いになることは間違いなく、選手の勝ちたい気持ちが勝負を左右する」と初戦に向けて戦う集団に仕上げる。選手も敗戦から学んだものは少なくなく、「自分たちはチャレンジャー。一戦一戦を全力で戦い、力を出し切る」と瀬戸口はチームの思いを代弁した。勝負強い鶴崎工業の本領発揮はここからだ。
攻撃の核となる幸優成
(柚野真也)
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