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ライフル射撃

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全国高校選抜大会 ライフル射撃男子 ビームライフル準V 秦鳳真路(由布3年) 【大分県】

全国高校選抜大会 ライフル射撃男子 ビームライフル準V 秦鳳真路(由布3年) 【大分県】

 わずかなズレが結果を分ける―。ライフル射撃は、極限の集中力と正確さを求められる競技だ。その中で秦鳳真路(たかまろ、由布3年)は、昨年に続き全国高校選抜大会・男子ビームライフル60発で準優勝を果たした。しかし、この「同じ準優勝」は、内容の面で大きく異なるものだった。

 大会前、秦の状態は決して良くなかった。昨秋の国スポ後から徐々に調子を落とし、「決勝に残れるかも分からないほどだった」と振り返る。原因は明確ではない。ただ、本人が口にするのは一貫して「気持ち」の問題だった。気持ちを上げようとする意識とは裏腹に、どこかかみ合わない。焦りと不安が、わずかなズレを生み、それがスコアに直結する競技である。

全国高校選抜大会で2度目の準優勝に輝いた秦

 それでも、試合が始まると空気は変わった。「やっているうちに楽しくなった」。その言葉が象徴するように、秦は競技本来の感覚を取り戻していく。大会中はミスショットがほとんどなく、流れるようなリズムで撃ち続けた。いわゆる“ゾーン”に入った状態では、「周りの音が消えて、ロボットみたいに同じ動作を繰り返している感覚」になるという。再現性を極めるこの競技において、雑念を排し、無意識に近い領域で撃ち続けること。それこそが、秦の到達したい境地だった。

 高校から始めたライフル射撃。中学時代に体験した楽しさが原点となり、入学と同時に射撃部の門を叩いた。最初は思うように当たらなかったが、1年の夏には頭角を現す。全国大会に出場した際、上級生を上回るスコアを記録。「いける」という手応えが芽生えた瞬間だった。結果以上に、自分の中に確かな感覚が残ったことが大きかった。

 中学では水泳、ハンドボールと経験してきたが、ライフル射撃はまったく異なる領域にある。身体能力だけでは届かない世界。必要なのは「メンタルの強さ」と秦は言い切る。再現性の競技でありながら、心の状態を整えることで精度は上がる。ミスを引きずらず、「次の一発だけを考える」。その積み重ねが、結果へとつながっていく。

「国スポで日本一になる」と力強く宣言した

 準優勝という結果の裏にあるのは復調の兆しであり、再び自分を取り戻した手応えである。同時に、それはまだ完成形ではないことも意味する。「正確に、何も考えずに、ロボットみたいに撃てれば勝てる」。その言葉には、課題と可能性の両方が詰まっている。

 高校卒業後、競技を続ける予定はない。次の大きな全国舞台は国スポとなる。「最後に日本一を取りたい」。静かな言葉の奥に、強い覚悟が宿る。現在はまだ調子が戻りきっていないと自覚しながらも、残された半年で「気持ちも点数も戻す」と見据える。



(柚野真也)

大会結果