
【指導者の肖像〜高校スポーツを支える魂〜】 信じる力が未来を変えていく 柳ケ浦高校バスケットボール部監督・中村誠(前編)
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高校バスケットボールの夏の王者を決める全国高校総体(インターハイ)の県予選が29日から始まる。「決勝リーグ」は準々決勝を勝ち抜いた4チームが総当たりで対戦し、インターハイ出場の1校を決める。男子は優勝候補の柳ケ浦を別府溝部学園が追随する。県高校総体前特集として「南九州四県対抗バスケットボール選手権大会県予選(南九予選)」で飛躍した注目の3校を取り上げる。第1回は昨年末の全国高校選手権大会(ウインターカップ)に出場した柳ケ浦。
ウインターカップ初戦敗退の悔しさを経験した選手が主力となった現チームは、キャプテンの木原光晴にモンゴルからの留学生ドゥルグーン、嘉数涼介、比嘉奨希、原大樹の先発メンバーに黒木光矢を加えた6人の3年生が屋台骨となる。木原は「チームの目標は県内無敗でインターハイ、ウインターカップに出場。そのために上級生の僕らがチームを引っ張る必要がある」と覚悟を示す。
2月の県高校新人大会を終えてから、ミーティングを開き「ベースとなる個人の力を上げなければチームは強くなれない」との結論に至った。中村誠監督との「バスケノート」のやり取りで、個人の課題を把握し、技術向上のための練習法などを記すことで「自分の長所と短所が明確になり、練習に取り組む姿勢が変わった」(中村監督)。
個々のレベルが上がった柳ケ浦
練習の成果を試す絶好の機会となった南九予選では、責任の所在を明確にするために攻守において1対1で勝つことを念頭に置いた。初戦から3試合の平均得点は140以上と相手を圧倒した。接戦となった準決勝の別府溝部学園戦では、第4クオーターでゴール下の核となるドゥルグーンが5ファウルで退場になっても、あえてタイムアウトを取らず、「これまで練習でやってきたことを出せ」との中村監督のメッセージに選手が応えた。それぞれが目の前の相手に勝つことを考え、球際やリバウンドで相手に勝った。黒木は自分より20㌢以上高い相手に果敢に1対1の勝負に持ち込んだ。中村監督は「毎日ドゥルグーンを相手に練習しているから相手の留学生に対してひるまなかった」と成長に笑みがあふれた。
攻撃では柳ケ浦が得意とするセットプレー、守備ではゾーンを使わずに「1対1」で勝り、優勝したことは大きく、中村監督は「全国で戦うための下地ができた。これからも個人のスキルアップをしながら、チームとして戦う基盤をつくる。まずはインターハイの出場権を得て、全国で勝てるチームにしたい」と手応えを口にした。
成長著しい黒木光矢
(柚野真也)
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