世界基準が大分に来た ジュニアアスリート発掘イベントBOSTA SPORTS FESTIVAL 【大分県】
サッカー
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折り返し地点で見えてきたのは、大分トリニータが単なる結果の浮き沈みでは測れない、発展途上の実像である。J2・J3百年構想リーグ西B組で5勝4敗、勝ち点14の暫定3位。開幕3連勝で勢いよく飛び出しながら、熊本戦の初黒星を境に波をかぶり、6節からは3連敗も喫した。だが、前半戦最後の鳥栖戦で1―0の勝利をつかんだことは、順位以上に大きな意味を持つ。チームがもう一度、自分たちの土台を取り戻したからだ。
苦しい時期の敗因は明確だった。主力の離脱も重なり、前線から圧力をかける守備が曖昧になった。奪う位置が定まらず、最終ラインは押し上げ切れない。すると全体の距離感が崩れ、単純なミスが失点に直結した。四方田修平監督が「攻撃にトライする中でミスは起こり得るので、そこは怖がらずにやらせたい。ただ、自滅を繰り返しているようでは勝てるチームにはなれない」と語った通り、問題は挑戦そのものではなく、ゲームを壊すエラーにあった。

その修正が形になったのが鳥栖戦だった。キャプテンの榊原彗悟は「今日は守備の形がはっきりしていて、勢いよく前からプレスにいけた」と振り返った。ファーストディフェンダーが明確になり、前線の圧力に呼応して後方も押し上がる。全体がコンパクトになれば、守備は攻撃の出発点に変わる。四方田監督も「いい守備からいい攻撃につながる形は作られていた」と手応えを口にした。相手の攻撃を止めるだけではない。奪った瞬間に背後を突き、相手の陣形が整う前にゴールへ向かう。その連続性こそチームが志向する姿である。
もっとも課題もはっきりしている。背後を狙う攻撃は機能しても、試合を落ち着かせるボールを保持の時間、そして仕留め切る最後の質はなお発展途上だ。榊原が「結果として1点だったので、最後のところの質はもっと求めていかないといけない」と話したように、優位を支配に変える精度は後半戦の重要なテーマとなる。

それでも悲観する必要はない。四方田監督は、9試合を通じて「それぞれのフェーズでできること、できないことが整理され、引き出しは確実に増えてきている」と語った。守備のスイッチにも複数のパターンがあり、状況に応じた使い分けも進んでいる。若手の起用が増えたことも単なる苦肉の策ではない。経験不足を露呈する時間すら、次の基準を知る糧となる。
勝ち越しで折り返した前半戦は、チームの成長を示した9試合だった。必要なのは、うまくいく時間を伸ばすことではなく、うまくいかない時間を壊さずに耐え切ること。そして、その上で自分たちの攻守を研ぎ澄ませることである。四方田監督が掲げる「目の前の試合に全力を尽くすこと」と「チームの成長」。その二つを両立できるかどうか。後半戦は、真価を問う9試合になる。
(柚野真也)
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