県高校野球選手権 投手陣でつかんだ優勝 柳ケ浦、接戦制し夏へ弾み 【大分県】
野球
九州地区高校野球大会 明豊の3枚看板へ、財原光優(3年)の「分岐点」
第148回九州地区高校野球大会
2回戦 4月24日 別大興産スタジアム
明豊 002 226 |12
日南学園 000 010 |1(6回コールド)
準々決勝 4月27日 臼杵市民球場
明豊 000 000 000 |0
福大大濠 000 030 10× |4
苦い敗戦となったが収穫もあった。第93回選抜高校野球大会で準優勝した明豊は休む間もなく、九州地区高校野球大会に出場した。大会前に川崎絢平監督が「センバツに出場しなかったメンバーにチャンスを与え、チーム全体を底上げして競争意識を植え付けたい」と話したように、今大会は、控え捕手だった田中文都(3年)が好リードと持ち味の打撃力を示し、下級生らもアピールに成功。「出場機会のなかった選手が経験を積めた。準決勝までいけなかったが、負けることで危機感が強くなった。いい薬になってほしい」と総括した。
初戦の日南学園(宮崎)に圧勝し、準々決勝の福岡大大濠戦のマウンドに立ったのは財原光優(3年)。川崎監督が今大会の収穫の一人に名を挙げた選手だ。センバツでは中継ぎとして3試合に登板。「長いイニングを投げて球数を抑えながら、ペース配分を身に付けてほしい」(川崎監督)と先発を託された。五回に四球を与え、リズムを崩して3失点したが、その後はしっかり立て直して6回を投げ抜いた。
準々決勝で敗退したが選手層の厚みは増した明豊
気迫を前面に出し、打者に向かっていく財原だが、この試合はカーブやチェンジアップなど緩い球を効果的に使い、配球を組み立てた。財原は「抜くボールでうまくカウントを稼げた。長いイニングを投げると、同じ打者と3、4度対戦するので、1打席目から持ち球を全部見せず、投球内容を良くすることを心掛けた。先に得点を与え、最後まで投げ切れなかったのは力不足」と反省ばかりを口にしたが、川崎監督は「四球以外は良かった。練習試合では味わえない緊張感のなかでよく投げた」と評価する。
財原は「自分が長いイニングを投げれば2人が楽になる。もう、これ以上2人に任せきりにしたくない」と、言葉に力が入る。夏の大会に向けて京本真(3年)、太田虎次朗(同)の2枚看板に次ぐ、3番手として自覚が芽生えた。「うおりゃ!」と雄たけびを上げる気合いの投球同様に、マウンドを降りても熱い男の沸点はさらに上がる。「ここが自分の分岐点。成長できるタイミング」。夏の大会は“3枚看板の一人”として名乗りを上げるつもりだ。
「ここが自分の分岐点」と語った財原光優
(柚野真也)