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鶴崎工業高校写真部 一瞬を刻む高校生の視点 【大分県】

鶴崎工業高校写真部 一瞬を刻む高校生の視点 【大分県】

 昨年、大分県高文連写真コンテストで複数の部員が最優秀賞、優秀賞、優良賞を受賞し、全国総合文化祭へ出場した鶴崎工業高校写真部。さらに同年度の写真中央展でも複数名が入賞するなど、県内屈指の実績を積み重ねている。安定して結果を残すその背景には、個の感性を尊重しながらも互いに高め合う独自の文化がある。

 長年指導にあたり、大分県高文連写真専門部の専門委員長も務める中村健太郎教諭は、「最も大切なのは、本人が何をどう撮りたいかである」と語る。完成形のイメージを丁寧に引き出した上で、機材選びや技術面の助言を行う指導スタイルだ。写真は個人の表現に委ねられる部分が大きい。しかし同部では、その個を支える環境づくりにも力を注ぐ。機材不足で表現の幅が狭まることのないよう、自身のカメラを練習用として提供するなど、撮りたい瞬間を確実に捉えられる態勢を整えている。

撮影した写真の編集も大切な作業のひとつ

 部長の岡田悠志(2年)は「歴代の先輩方が築いてきた全国出場の流れを、自分たちの代で途切れさせたくない」と静かに語る。近年は仲間や日常を切り取った作品も増えているという。「制服姿や友人との時間は今しか残せないもの。その一瞬を形にしたい」。技術だけでなく、今この瞬間にしかない価値を見つめる視点が、作品に奥行きをもたらしている。

 1年次から入賞を重ねる山形和輝(2年)は「写真は一人で完結するものではない」と話す。撮影後の編集や仕上げの過程では、仲間と意見を交わしながら作品を磨き上げていく。その対話が新たな気づきを生み、表現の幅を広げている。

40名を超える部員が所属する写真部

 個の感性を起点にしながらも、互いの視点を持ち寄り、一枚を高めていく。鶴崎工業高校写真部は「個」と「チーム」を両立させることで、作品の質を引き上げてきた。高校生という限られた時間の中で、仲間とともに今を写し続ける彼らの挑戦は、これからも静かに、しかし確かな歩みで続いていく。


(塩月なつみ)