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全国高校選抜大会出場校特集 ハンドボール女子 九州激戦を突破 大分鶴崎が全国 【大分県】

全国高校選抜大会出場校特集 ハンドボール女子 九州激戦を突破 大分鶴崎が全国 【大分県】

 勝利の価値は、勝ち方によって決まる―。地元開催となる全国高校選抜ハンドボール大会(24〜29日)への切符をつかんだ女子の大分鶴崎は、その過程で確かな「成長」を証明した。九州地区予選は、県代表2位という立場からの挑戦だった。3連勝しなければ本戦出場はない。後がない状況で、選手たちは一戦ごとに課題を乗り越え、ついに全国への扉をこじ開けた。

 最大の山場は2回戦のコザ(沖縄)戦だった。相手は序盤から想定外のディフェンスシステムを敷き、大分鶴崎の攻撃は思うように機能しない。後半立ち上がりには7点差まで広げられた。だが、ここからチームの真価が現れる。ゴールキーパー丹後佳凜(2年)を中心に守備で踏ん張り、速攻とセットオフェンスで徐々に差を詰めていった。残り30秒で同点。延長後半、丹後がノーマークシュートを止めた瞬間、流れは完全に大分鶴崎へ傾いた。劇的な逆転劇は、チームに大きな自信をもたらした。

九州地区予選の経験が自信につながっている

 続く試合では大分勢同士の対決となり、大分を破って自力で全国選抜出場を決めた。選手たちは試合を重ねるごとに変わった。小林宏匡監督が繰り返し求めてきたのは「コミュニケーション」である。ミスを責めるのではなく、次のプレーを前向きにできるような声かけをチーム全員でする。練習ノートにもポジティブな言葉を書き続ける。その積み重ねがコート上の空気を変えた。自然と「こう守ろう」「次はこうしよう」という声が飛び交うようになり、チームは一つの方向へまとまっていった。

 今季のチームの特徴は、守りからリズムを生み出すことにある。中心となるのがGK丹後、得点源のキャプテン長田絢音(2年)と長渡莉瑚(同)のセンターラインだ。170センチの長田はポストとバックプレーヤーをこなす万能型。大きな体格ながら器用で戦術理解度も高い。とりわけ守備での存在感は際立つ。パスコースを読む危険察知能力とカバーリングの巧みさはチームの土台となっている。

 長渡は鋭い1対1とミドルシュートを武器とする攻撃の核だ。相手のマンマークを受ける場面では長田とポジションを入れ替え、6メートルライン周辺のスペースを活用して局面を打開する。ポストプレーヤーとの2対2や速攻でも力を発揮するなど、多彩な攻撃の起点となる存在である。

ここ一番で力を発揮する守護神の丹後

 そして最後の砦が丹後だ。安定感のあるシュートストップに加え、ロングスローで攻撃の起点にもなる。広い視野から繰り出される意外性のパスは、時に小林監督の想像すら超える。ここ一番で力を発揮する度胸も備え、全国レベルの実力を持つ。

 全国選抜の初戦は、いなべ総合学園(三重)。ここを突破すれば優勝候補の神戸星城(兵庫)が待つ。小林監督は「まともに戦っては勝てない。ポジションを変化させ、相手を惑わせたい」と戦略を描く。長田は「九州予選は苦しい試合ばかりだった。でも、その中で勝てた。高校で初めての全国大会。まずは初戦を突破したい」と力強く語った。九州で証明した粘り強さを胸に、全国の舞台へ挑む。


(柚野真也)

大会結果