バサジィ大分 大暴れ宣言 吉田圭吾の逆襲 【大分県】
フットサル
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苦しみ抜いたシーズンだった。リーグ終盤まで思うような白星を積み上げられず、ホームでは応援してくれる人々と歓喜を分かち合えない時間が続いた。それでも、バサジィ大分は最後に踏みとどまった。ファイナルシーズン5試合を4勝1分。負けなしで駆け抜け、最終順位を8位まで押し上げた。14日から始まる全日本選手権は、その積み上げを証明する最後の舞台となる。
今季のバサジィは、結果以上に輪郭をつかみにくいチームだった。狩野新監督が目指したのは、「バサジーらしさ」であった。攻守にアグレッシブで、自分たちから試合を動かすフットサル。しかし、現実にはメンバーの入れ替わりが大きく、構築には想像以上の時間を要した。やるべきことは示されていた。それでも浸透しきらず、どこか様子を見ながら戦うような空気が拭えなかった。狩野監督が「結果を残せなかった苦しいシーズン」と率直に振り返ったのは、その手応えと現実のズレを誰より痛感していたからだろう。

転機は、ファイナルシーズン前の浦安戦あたりから訪れた。選手を試し続けた時期を越え、チームとして何を優先するのかが絞られていった。鬼塚祥慶は「何をやるのかがはっきりした」と語る。勝たなければ残留できない。点を取らなければ勝てず、失点すれば苦しくなる。その極めてシンプルな原則を、チーム全員が強く共有できるようになった。出場時間の長短を問わず、ベンチもメンバー外の選手も同じ方向を向いたことが、終盤の粘りと連動性を生んだのである。
象徴的なのは、ようやく監督が「何も言わなくてもできるようになった」と感じる地点まで到達したことだ。選手がピッチ上で判断し、狙いを共有し、守備から攻撃へ迷いなくつなげる。その状態に入ったことで、狩野監督は対戦相手の分析に集中できるようになった。遅すぎた完成と言えるかもしれない。だが、遅かったからこそ、このチームが終盤に示した一体感には重みがある。

全日本選手権は、このメンバーで戦う最後の大会だ。狩野監督をはじめ、鬼塚ら退団、契約満了が発表された選手にとっては、ここがバサジィでのラストステージとなる。だが、別れの気配がチームを緩ませてはいない。鬼塚は「退団すること自体はあまり気にしていない。今まで通り全力でやるだけ」と言い切り、狩野監督も「100パーセント仕事をするだけ」と語る。去る者も残る者も下を向かず、最後まで手を抜かない。その姿勢こそ、この集団がようやく手にした強さなのだろう。
目標は明確である。優勝だ。トーナメント形式の全日本選手権は、一瞬の緩みが命取りになる。だからこそ重要なのは、守備から試合に入り、失点をしないこと。その土台の上で、ようやく戻ってきた「バサジーらしさ」を解き放てるか。苦しみ続けたシーズンの先に、ようやく見えた光がある。今季のメンバーで戦う最後の大会。結末次第で、この一年の意味は大きく変わる。
(柚野真也)
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