バサジィ大分 つかんだ初勝利 走って守って決めた 【大分県】
フットサル
バサジィ・フットサル 魂を込めたプレーでゴールへ突き進む森村孝志
5連敗中と低迷するチームで一人気を吐いているのが森村孝志だ。17日からトルクメニスタンで開催される「第5回アジアインドア&マーシャルアーツゲームズ」に、フットサル日本代表として参加する。森村は「代表に選ばれるようになり高いプレーレベル、高い意識を保てるようになった」と自覚が芽生え、チームの中心選手へと変貌している。
「ブルドーザー」。バサジィの一部のサポーターたちは森村をそう呼んでいる。由来は切れ味鋭いスピードと相手に競り負けない強靭なフィジカルにあるが、なりふり構わずゴールを目指すがむしゃらさもそのひとつだろう。昨季はリーグ戦で15ゴールを叩き出し、エース仁部屋和弘に次ぐチーム2位を記録した。真価が問われる今季の開幕前、森村に今季の目標を問うと、彼ははにかみながらこう言った。
「チームトップスコアラーになりたい。自信? それがなかったら生き残れませんよ」
今やFリーグ注目の成長株である森村だが、ここに辿り着くまでの道のりは決して平坦ではなかった。バサジィに加入する半年前にサッカーからフットサルに転向し、Fリーグのセレクションを受けた。フットサル経験の少ない荒削りな才能にオファーが届くことはなかったが、ピヴォのポジションを探していた吉武茂郎監督(当時はコーチ)の目に留まった。
今季から背番号11を背負い、チームを引っ張る
契約前の練習参加では実力の違いを見せつけられ、森村自身も「何もできない自分」を何度も痛感した。実際にバサジィ1年目の2013—2014シーズンは、なかなか試合に出られない日々が続いた。しかし、決して腐ることなく、途中出場のわずかな時間で猛烈にアピールし、少ないチャンスをものにしている。徐々に試合出場数を伸ばし、2014—2015シーズンにはリーグ戦全33試合に出場し、11得点と結果を残した。昨季から年代別の日本代表に選出されるようになり、「自分の立ち位置を確立できた」と言う。
明るく、強い気持ちと謙虚さを持ち合わせ、真っ直ぐに着実にステップアップを果たしてきた森村。次なる目標は、バサジィでのタイトル獲得と日本代表への定着だ。「これまでニブさん(仁部屋和弘)に頼ってきた部分が大きいが、ようやく対等とまでは言えないがプレーに対して意見を言えるようになった。代表でも一緒にプレーできるようになりたい」。
その目標に向かって走り続ける彼の後ろ姿を取材しながら一番感じるのは、全身からあふれ出る“強さ”だ。そして、その原動力は彼の口を通じて何度も聞いてきた。
「結局は実力があるかどうかだと思う。Fリーグは巧い選手はたくさんいるけど“気持ち”や“魂”のこもった選手は少ない。Fリーグも日本代表も欲しているのはそこだなと最近感じている」
現在リーグ戦で5ゴールを記録。「技術よりも力でゴールを決めるスタイルが好きだし、そういうプレーをイメージしている。分かりやすい結果はやはり数字なのでゴールを決めたい。今の結果はまったく物足りない」と語った。この言葉はまさに前へ前へとゴールへ突き進む“ブルドーザー”を連想させる。
フィジカルが強く、球際でも戦える魂のこもった選手
(柚野真也)