ダイヤの原石たち 日本一連覇を狙う柳ケ浦の3本柱 【大分県】
サッカー
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第104回全国高校サッカー選手権で、大分鶴崎は県勢として7大会ぶりの初戦突破を果たし、11大会ぶりに3回戦へ進出した。その快進撃の象徴となったのが、FW山下紫凰(2年)である。3回戦の流通経大柏(千葉)戦、前半22分。全国屈指の強豪を相手に放った一撃が、その名を一気に全国へと広めた。
県リーグに所属する地方校・大分鶴崎にとって、プレミアリーグEAST常連の流通経大柏は、明確に格上の存在である。守備に追われる時間が続くなか、自陣から送られた一本のロングパスに山下が反応した。日本高校サッカー選抜にも名を連ねる大会屈指のDFとの競り合いを制し、最後は迷いなくゴールを射抜いた。

試合は敗れた。しかし、全国最高峰の舞台で示した突破力と決定力は、確かな評価を残した。そのゴールは単なる1点ではなく、全国トップレベルでも「通用する」ことを証明する材料となり、大会終了後のU-17日本高校サッカー選抜候補選出へとつながっていく。
県予選では2年生ながらチームトップの8得点。本大会でも3試合連続でゴールを挙げた。最大の武器は、推進力あふれるドリブルである。スピードに乗ったまま長い距離を運び、フィニッシュまで完結できる力がある。本人が「あらかじめ決めているのではなく、ドリブルしながら相手を見ている」と語るように、相手の重心を見極めて逆を突く判断力も併せ持つ。小学生時代に所属したドリームキッズFC(大分市)で磨いたボールタッチが、その土台となっている。

中学時代は大分トリニータU-15に所属し、主戦場は中盤の左サイドだった。FWへの転向は高校進学後である。首藤謙二監督のもと、1年生からレギュラーに抜擢されたが、当初は決定機を逃す場面も目立った。それでも起用は揺るがず、試行錯誤を重ねる中で、ゴール前での駆け引きと冷静さを身につけていった。
新チームでは10番を背負い、攻撃の中心としてピッチに立つ。チャンスメイクからフィニッシュ、そして周囲を生かす役割まで担う存在である。目標に据えるのは、前任の10番で主将を務めた河野歩夢(3年)だ。「歩夢くんを超える選手になりたい」。その言葉に宿るのは、期待ではなく、自らが担う覚悟である。
(富田充)
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