大分トリニータ 開幕前最後の一戦 札幌戦が映す真価 【大分県】
サッカー
NEW!
大分県高校新人サッカー大会
2月1日 大分スポーツ公園サッカー・ラグビー場Aコート
女子決勝
柳ケ浦 2(0―1、2―0)1 稲葉学園
王者にとって、新チームの初陣は決して容易な船出ではなかった。県高校新人サッカー大会女子決勝。全日本高校女子サッカー選手権大会で日本一に輝いた柳ケ浦は、稲葉学園と対戦し、2―1の逆転勝利で7年連続7回目の優勝を果たした。
試合は、予想外の展開で幕を開けた。前半、主導権を握ろうとした柳ケ浦だったが、守備の一瞬の隙を突かれて先制点を許す。全国選手権では5試合でわずか1失点。鉄壁を誇った守備陣に生じた、ほんのわずかなほころびだった。それでも、ピッチに大きな焦りはなかった。林和志監督は「準備期間の短さは言い訳にならない」と語る。祝賀会や表敬訪問が続き、十分な練習時間を確保できない状況でも、その事実を理由に掲げるつもりはなかった。

この日は相手の戦い方を想定し、柳ケ浦は3バックでスタートした。前線と中盤に人数を割き、相手のロングボールに対してセカンドボールを確実に回収する。狙いは明確だった。しかし、試合が進むにつれて3バックの脇を使われる場面が増え、守備は後手に回る。攻撃でも立ち位置や動き出しがかみ合わず、意図した形を作り切れない時間が続いた。
「前半は正直、悪い選択をしていた」と林監督。ハーフタイムには、これまで積み上げてきたチームの歴史を引き合いに出しながら、目の前の一つ一つの判断が試合の流れを左右することを、感情に頼ることなく淡々と説いた。どの選択をすれば試合は好転し、どの選択をすれば苦しい展開になるのか。その基準を再確認する時間だった。
後半は本来の4バックに戻す。ギアが上がると、試合の空気は一変した。後半12分のコーナーキック。門馬有琉(2年)が鋭く蹴り込んだボールを村上凜果(同)が押し込む。全国選手権決勝でも結果を残した“ホットライン”が、再び火を吹いた瞬間だった。

同点で勢いづくと右サイドからの攻撃を活性化させる。後半28分、グラウンダー気味のクロスに門馬が右足で合わせ、ネットを揺らした。風の影響を受けながらも、「絶対に無駄にしない」という意識で狙い切った一撃。1得点1アシスト、全ゴールに絡む活躍で、勝利を手繰り寄せた。
試合後、林監督は「終わってみれば、一番いい試合だった」と振り返った。技術ではなく、気持ちや準備といった見えない部分が試された70分。日本一という看板を背負い、すべての相手が挑戦者として向かってくる。その重圧の中で勝ち切る難しさと価値を、新チームは初戦から突きつけられた。勝利の中で得た収穫は、選手一人一人にとって確かな学びとなったはずだ。結果だけでは測れない経験を積み重ねながら、チームは少しずつ成熟していく。九州、そして再び全国へと続く。
(柚野真也)
地区を選択
学校名を選択