大分鶴崎高校剣道部 東 隼矢刀(2年) file.889
剣道
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全国高校剣道選抜大会大分県予選大会
1月18日 クラサス武道スポーツセンター道場
男子決勝リーグ
1位 明豊 2勝1分(2―1杵築、1―1鶴崎、3―0鶴城)
2位 杵築 2勝1敗
3位 大分鶴崎 1勝1分1敗
4位 佐伯鶴城 3敗
剣道の全国高校選抜大会県予選、男子団体の決勝リーグで、明豊が2勝1分で優勝を飾った。杵築が2勝1敗で続き、両校が全国への切符を手にした。結果だけを見れば、明豊が昨年11月の県高校新人大会に続く連続優勝。しかし決勝リーグでは、ポイントゲッターの不調やオーダー変更など想定外の局面が重なり、常に我慢を強いられた。勝ち切るまでの過程は、力の差だけでは押し切れない、神経戦の連続だった。
県新人大会団体戦を制した明豊は、個人戦でも上位を独占。下馬評では「明豊が抜けている」と見る声も多かった。だが、決勝リーグに入ると、試合は思い通りには進まない。相手校が徹底して研究と対策を施す中、主導権を握り切れない時間帯が続いた。

ポイントゲッターの野中道喜(2年)も、持ち味を十分に発揮できなかった。初戦の杵築戦で勝利を収めたものの、打突のさえは影を潜め、流れを引き寄せ切れない。乗り切れない時間が続き、明豊本来の勢いが生まれなかった。
続く大分鶴崎戦では、間津俊亮監督が荒治療に踏み切る。野中をメンバーから外すという決断だった。奮起を促し、流れを変えたいという狙いがあったが、試合は引き分けに終わる。盤石と思われた布陣が揺らぎ、明豊は「勝って当然」という立場の重圧と正面から向き合うことになった。
それでも、崩れなかったのが底力の証明である。誰か一人が抜けても、残る4人が役割を果たし、流れをつなぐ。間津監督が語るように、団体戦は一人の不調で簡単に歯車が狂う。だからこそ、この苦しい展開を耐え抜いた経験は、チームにとって大きな財産となった。最終戦では一人一人が我慢を重ね、勝ち切る剣道を体現。勝利と引き分けを積み上げ、結果として頂点に立った。

キャプテンの鶴侑磨(2年)は、全国出場を決めても表情を緩めない。「自分たちの力はこんなものではない」。昨年の全国高校選抜では2回戦敗退。その悔しさが、言葉の端々ににじむ。冷静に試合を読み、自分の役割を果たす。その姿勢こそ、今の明豊の強さを象徴している。
勝ちながら課題が浮き彫りになった決勝リーグだった。打つべき場面では思い切って前に出る一方で、無理に踏み込まず、相手の出ばなや反撃を許さない。「打っていく中で、打たれない」とは、攻めに転じながらも守りの意識を失わず、一本のリスクを最小限に抑えるということだ。その厳しさを2カ月間で磨き上げた先に、全国の舞台が待っている。
明豊に慢心はない。試合を通じて見えた課題を一つずつ積み重ね、視線はすでに日本一へと向けられている。
(柚野真也)
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