大分南高校書道部 大久保 杏優(2年) file.890
カルチャー
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鶴崎工業高校写真部の岡田悠志(2年)は、入学と同時に写真部の門をたたいた。カメラの経験はなく、入部のきっかけは友人からの誘いというごく自然なものだった。しかし、初めてカメラを手にした瞬間、言葉にできない楽しさが胸に広がったという。「操作も何も分からなかったが、先輩や先生が一から丁寧に教えてくれた。部の雰囲気が温かく、それが続けたいと思えた理由」と当時を振り返る。撮る喜びは次第に日々の原動力となり、ほどなく自分専用のカメラを購入するほど写真に没頭していった。
その情熱は1年時に早くも形となる。県内の写真コンテストで優秀賞を受賞し、選出作品として九州大会に出展された。「どうか私と同化させてください」と題された一枚は、友人をモデルに撮影した作品。「撮影中にふと見せた仕草が印象に残った。狙っていた構図とは違ったが、その偶然こそが写真の面白さだと思った」と語る。普段はほとんど使わないというトリミングを施し、構図と余白のバランスを意識しながら仕上げたその写真には、被写体と向き合う誠実さがにじんでいる。

入部当初から岡田を見守ってきた顧問の中村健太郎教諭は、技術以上に作品に込められた物語性を評価する。「1枚の写真に、なぜ撮ったのかという意図が明確にある。その考えを言葉にし、表現として結びつける力が印象的」と語る。撮影後に自らの解釈を整理し、作品として完成させていく姿勢が、岡田の個性を形づくっている。
昨年は県写真中央展でも入賞を果たした。その背景にあるのは、活動日数に制限のない写真部の特性を生かし、ほぼ毎日教室に足を運ぶ姿勢だ。「毎日触れることで機材への理解も深まり、表現の引き出しが増える。何より仲間と写真を見せ合う時間が楽しい」と語る。その積み重ねは後輩からの信頼にもつながり、今では部の中心的存在となっている。互いに意見を交わしながら高め合うという部の理念を、行動で体現する存在である。

これまで部活動の経験がなかった岡田は、「最初の部活が写真部で良かった」と穏やかに笑う。今年は高校生活最後の1年。「全国大会出場を目標に、悔いのない作品を残したい」と静かに語った。卒業後も写真を続ける意志は揺らがない。仲間と過ごした3年間を胸に、自分が本当に撮りたい1枚を探し続ける。
(塩月なつみ)
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