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ダイヤの原石たち バスケットボール女子 藤岡澪(明豊2年)の試合を司る覚悟 【大分県】

ダイヤの原石たち バスケットボール女子 藤岡澪(明豊2年)の試合を司る覚悟 【大分県】

 バスケットボール女子の県高校新人大会で明豊が頂点に立った。その中心にいたのが、ポイントガードの藤岡澪(2年)だ。コート全体を見渡し、試合をコントロールする司令塔。静と動を使い分けるそのプレーは、新チームの完成度を一段引き上げた。

 試合の大半で藤岡は冷静だった。相手の出方を見極め、テンポを落とすべき場面ではボールを落ち着かせ、走るべき局面では一気に加速する。ただの配球役ではない。勝負どころでは自らドライブで切れ込み、外角からも迷いなくシュートを沈める。杉山真裕実監督が「安心して見ていられる」と評するのも、その判断力と胆力が備わったからだ。

昨年の1年間で大きく成長した藤岡

 しかし、ここに至る道のりは平坦ではなかった。昨年チームが始動した当初、藤岡はベンチスタート。同学年の豊東苺子がエースガードとして君臨していた。転機は県高校総体後。豊東がけがで長期離脱を余儀なくされ、藤岡に大きな役割が回ってきた。「穴を埋めるのではなく、自分の色を出してほしかった」。杉山監督の言葉の裏には、大きな期待と同時に重圧もあった。

 先発として臨んだ最初の大会は全国高校総体。準備期間は短く、全国の舞台は荷が重かった。思うようなプレーができず、苦しむ時間も長かった。それでも杉山監督は起用を続けた。「このポジションを任された以上、逃げることはできない。自分が司令塔として責任を引き受けなければならない」。その自覚が芽生えたことで、藤岡は役割を見つめ直す。周囲を生かす黒子に徹し、流れを読む力を磨きながら、少しずつ自分の色を重ねていった。

 成長は結果に表れている。藤岡が先発に定着して以降、チームは県内無敗を継続。新チームではリーダーとしての自覚も強まった。ファウルを受けて感情が揺れても、次のプレーで冷静さを取り戻す。スピード、判断力、安定感。すべてが一段階上がった。

 藤岡自身も自分の役割を明確に捉えている。点差が詰まり、チームのリズムが崩れかけた場面で、自ら得点に向かうことができるか。あるいは流れを整え、得点力のある仲間を気持ちよくプレーさせられるか。その見極めこそがポイントガードの仕事だと知っている。昨年、3年生に引っ張られて全国を経験したからこそ、仲間の大切さとチームで戦う意義を実感した。

大事な場面では自ら得点を決める

 目標は高い。県内無敗、九州大会ベスト4、全国ベスト8。攻撃力の高い選手がそろう今年、その力を最大限に引き出す存在として藤岡への期待は大きい。豊東が復帰すれば選択肢はさらに広がる。ツーガードという新たな武器も現実味を帯びる。

 副キャプテンとして、先輩から学んだコート内外での振る舞いを胸に刻み、藤岡は次の舞台を見据える。声の掛け方一つ、立ち居振る舞い一つにも責任が宿る立場となった今、求められるのは技術だけではない。全国の強敵を前にしても臆することなく、試合の流れを掌握し、仲間を信じて託す「堂々とプレーできる司令塔になる」と決意を新たにした。


(柚野真也)

大会結果