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ダイヤの原石たち バスケットボール男子 “無双”まであとわずか 覚醒するママドゥ(柳ケ浦2年) 【大分県】

ダイヤの原石たち バスケットボール男子 “無双”まであとわずか 覚醒するママドゥ(柳ケ浦2年) 【大分県】

 ガンビアから日本へ。柳ケ浦高校の留学生ファデラ・ママドゥ(2年)の歩みは、単なる大型選手という枠では語れない。207センチの長身と長い手足。入学当初、ママドゥの武器は圧倒的な高さだった。だが、その才能は1年間で別物へと進化した。ステップワークを磨き、走力を高め、コートを縦横無尽に駆け回る「走れるセンター」へ。2年目にはハンドリングとアウトサイドシュートにも挑み、得点エリアを広げた。いまやゴール下にとどまらず、どこからでも脅威となるハイスコアラーとなった。

 成長を加速させたのは、全国の強豪校に集うトップレベルの留学生とのマッチアップだった。高さもスピードも国内屈指の相手と日常的に対峙(たいじ)する中で、ママドゥは「通用する部分」と「足りない部分」を突きつけられた。フィジカルに頼るだけでは勝てない現実。ワンプレーごとの判断、駆け引き、ポジショニング。その全てが、次の成長への課題となった。

 ぶつかり合いの中で自らの現在地を知り、修正を重ね、プレーの引き出しを増やしてきた結果、ママドゥのプレーは一段深みを増した。その進化は評価を高め、国内大学だけでなくBリーグ、さらには欧州のプロクラブからも注目を集める存在へと変貌している。

プロクラブからも注目を集めるママドゥ

 最上級生となった新チームでは、ゲームキャプテンを任されている。中村誠監督は「以前はがむしゃらだったが、今は試合をコントロールできる。頭がいい選手だ」と評する。身体能力だけでなく、今なすべき役割を理解する知性と姿勢が、周囲の信頼を集めている。

 コート外でもママドゥはチームに溶け込んだ。来日当初は翻訳アプリが手放せなかったが、日本語は着実に上達。その日々をそばで支えてきたのがマネージャーの中原宇多(3年)だ。箸の持ち方を教え、日本の生活習慣を伝えながら、言葉の壁を一つずつ取り払ってきた。陽気で人懐っこい性格も相まって、ママドゥは自然と輪の中心へ入っていった。

 中原は「日本の文化に興味を持っていたので、すぐにみんなに好かれた。今では日本人以上に礼儀正しい」と目を細める。カップ麺好きという一面も微笑ましい。勝利や充実した練習の後、コンビニの焼きそばを頬張る時間は、異国で戦うママドゥにとってのささやかなご褒美であり、仲間と心を通わせる大切なひとときでもある。

 県高校新人大会決勝では、凄(すご)みを見せつけた。ゴール下では豪快なダンクで流れを引き寄せ、外でボールを持てば鋭いドライブ。アリウープが決まるたび、会場はどよめきに包まれた。華やかさの裏で、リバウンドやヘルプを怠らない献身性も光る。ゴール下に必ず走り込む姿勢が、チームに安心感を与えている。

豪快にダンクを決め、会場を湧かせた



 ママドゥは言葉より行動で示す。「チームを日本一に導きたい」。その言葉に、力みはない。異国の地で文化を学び、人と向き合い、バスケットボールを日々アップデートしてきた積み重ねが、自然と口を突いて出た決意である。

 高さや身体能力だけに頼らず、走り、考え、仲間を生かす。勝負どころでは自ら前に出て、苦しい時間帯では献身的なプレーで流れをつなぐ。その姿は、チームの指針そのものだ。日本の高校バスケットボールの枠を越えた存在へ。柳ケ浦を頂点へ導く象徴として、ママドゥが“無双”と呼ばれる日も、決して遠くない。


(柚野真也)

大会結果