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原川中学 貫禄の全国連覇達成 2度目の歓喜

原川中学 貫禄の全国連覇達成 2度目の歓喜

 

 王者としてではなく、挑戦者として戦った結果が春、夏連覇につながった。原川中学女子ハンドボール部は、全国中学校体育大会で優勝し、春の全国中学生選手権(3月、富山)に続き、2冠を達成した。

 

 決勝戦の住吉第一(大阪)との試合は、序盤からリードする展開が続いたが、後半は1点差に迫られる場面もあった。しかし、監督も選手も慌てることはなかった。「春の優勝の貯金だけで勝てるとは思ってもいなかった」と甲斐万起子監督。春の選手権後、守備から速攻への流れに磨きをかけ、選手一人ひとりの走力とスピードが向上した。勝負どころでのコンタクトプレーも厭(いと)わない屈強な守りで踏ん張り、次々と速攻を決めて点差を広げた。そして、ついに優勝決定のブザーが鳴り響くのだ。

 

 コートに立った選手全員が守備に弄走する姿があった。チーム一丸の“堅守速攻”が、渇望していた連覇を引き寄せたのだ。今年度に入って、練習試合を含め中学生との対戦で負けたことはない。常勝軍団は勝った試合でも選手自らが話し合いの場を設け、修正点を洗い出し、解決してきた“自力”が勝因のひとつとも言えるだろう。

 

 しかしなにより、この試合、この大会で際立っていたのは、選手たちの優勝への執念だった。

 春の選手権は怪我でほとんどの試合に出場できなかった萩尾ほのか(3年)と岩本里菜(同)の両エースが力を込めて言う。

「一人がミスをしても、みんなでカバーできた。勝つことが大事だし、そういう試合ができた」(萩尾)

「春の優勝と嬉しさが全然違う。持ち味の堅い守りから速攻が発揮できた。相手より勝ちたい気持ちが強かった」(岩本)

 

 常に優勝を意識して戦い、そして勝ち獲った春夏連覇の称号に大きな意味がある。甲斐監督は「どのチームも打倒・原川で向かってきた。チャンピオンとしてのプレッシャーもあったが彼女たちは乗り越えた」と称えた。

 

 選手の飽くなき追求心はさらに増している。次の挑戦は12月のJOCジュニアオリンピックカップである。大分県選抜チームとして戦うが、3年生は全員選ばれており、原川中心のチームになることは間違いない。U—16日本代表に選出されている石川空は「チーム大分として戦うが原川の代表として優勝することしか考えていない」と連覇の余韻に浸ることなく、次の目標に向かって進んでいる。

 

栄光の戦士たちの喜びの声

WINNER’S COMMENTS

 

 

 

幡東妃美希(3年) GK

優勝が決まった瞬間は嬉しさが爆発しました。保護者席を見たらみんな喜んでくれていた。支えてくれた方々に恩返しできたことが嬉しかったです。この大会は自分たちのプレーをすることに集中しました。初戦から決勝戦まで、それができたことが優勝につながったと思います。

 

 

萩尾ほのか(3年) 右サイド

春の全国大会は(怪我で)試合に出られなく悔しさしかなかったけど、それを晴らすことができました。準決勝の神森戦は初めてリードされて前半を折り返したけど、みんな焦りもなく勝てた。そこから一気に優勝が近づいたと思います。個人的には絶好調でした。100点満点の大会でした。

 

 

岩本里菜(3年) 左サイド

試合が終わって凄いことをしたんだなと実感しました。春の全国大会は怪我で試合に出られなかったので、この大会の優勝は嬉しさが違いました。まだ100%ではないですが、チームの勝利に貢献できたと思います。大会を通してみんな声が出ていたし、自分たちのプレーを貫けました。

 

 

石川空(3年) センター

全国大会前に髪を切って気合いを入れました! 連覇のプレッシャーはあり、試合会場に行くと他のチームの目線が違いました。オフェンスでかみ合わないときもありましたがディフェンスで我慢できた。一人ひとりの気持ちが強かったと思います。このチームは一人ひとりの個性が強いけど、7人集れば7人以上の力を発揮できたチームでした。

 

 

山崎晶(3年) 右45

本当に連覇したのかなという感じです。チームは緊張感を持って、団結して試合ができました。どの試合もいい雰囲気でできました。準決勝ではリードされたこともありましたが、絶対に勝つんだという思いがみんなにありました。全国大会の大きな舞台で結果を残せたことは誇りに思います。このチームで戦うことは終わりましたが、(大分県選抜として)次の大会がある。強くなるための練習を続けたいです。

 

 

安東里紗(3年) 左45

春の大会で優勝して追われる立場となり、プレッシャーもありましたが連覇できてほっとしています。負けることより勝つことを考えてみんながプレーできたと思います。流れが悪いときに弱気にならず、同じ目標に向かっていた。このチームはみんな仲良しだし、ずっと一緒にプレーできて良かったです。

 

 

三浦那有(3年) ポスト

決勝戦も緊張しなかったし、集中していつも通りのプレーができました。春から守備力を強化し、オフェンスでは難しい戦術を取り入れました。この大会では攻守でパワーアップした部分を出せたと思います。原川として試合をすることはこれで終わりますが、次の大会(JOCジュニアオリンピックカップ)で大分県代表として、みんなともう一度一緒にプレーできる。優勝して3連覇目指します!

 

(柚野真也)