鶴崎高校剣道部 波多野惺菜(2年) file.862
剣道
剣道の全国高校選抜大会県予選を前に、男子は出場枠2を争う緊張感の中にある。その主役候補の一つが、大分鶴崎だ。新チーム最初の公式戦となった9月の秋季大会を制し、11月の県高校新人大会でも準優勝。安定した結果を積み重ねながら、全国切符獲得、そして優勝を現実的な目標として本番を迎える。
年明け4日の初稽古から、道場の空気は徐々に引き締まってきた。主力は昨季から団体を経験してきた東隼矢刀(はやと、2年)、立花光(2年)、安藤一博(1年)。とりわけ立花は県新人大会の個人戦を制し、勝負どころで一本を奪える存在として周囲の警戒を集める。安藤も1年生ながら力強い剣道で台頭し、試合の流れを左右するピースとなりつつある。

姫野翔監督は、今大会を「柔軟さ」が問われる舞台と位置づける。全国選抜県予選はオーダーフリー。相手の並びや特徴に応じ、試合ごとに配置を変えられる。その分、事前の準備と判断力が結果を分ける。「基本となる形はあるが、複数の組み合わせを持っておく必要がある」。前で決め切る理想と、大将までつなぐ現実。その両方を想定しながら、最善手を探る。
チームカラーは堅実だ。派手さはないが、大崩れしない。一方で、勝たなければならないという意識が強まると、動きが硬くなる側面も県新人大会では見えた。殻を破り、思い切って踏み込めるか。立ち上がりの一本が、その日の流れを大きく左右する。姫野監督が「1試合目」を重視する理由だ。

最大のライバルは明豊となる。高い実績を誇る存在だが、大分鶴崎は受け身にはならない。個の力で劣る部分があっても、総合力で勝負する覚悟がある。キャプテンの東は言う。「明豊は届かない存在ではない。自分が流れを呼び込み、絶対に勝つ」。その言葉に、挑戦者としての強い覚悟がにじむ。
予選トーナメントを勝ち抜いた4校による決勝リーグは、一本、一本の重みが違う。確実に取るべきところで取れるかどうか。積み上げてきた経験と準備を信じ、鶴崎は全国への扉をこじ開けにいく。静かな闘志を胸に秘めた剣士たちの挑戦が、まもなく始まる。
(柚野真也)
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