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全国高校駅伝 女子 一つずつ順位を積み上げた大分東明 価値ある17位 【大分県】

全国高校駅伝 女子 一つずつ順位を積み上げた大分東明 価値ある17位 【大分県】

 冬の都大路を駆け抜ける全国高校駅伝。女子の部には全国から57校が集い、5区間で争われた。その舞台で大分東明は17位(1時間10分9秒)でフィニッシュした。11年連続の出場となる都大路で、確かな成長と手応えを刻むレースだった。

 スタートの1区を任されたのは福嶋円嘉(1年)。エース区間とも言われる重圧のかかる区間で、27位でタスキをつないだ。目標としていた10位台には届かなかったが、離れず、食らいつく走りでレースをつくった。その後、チームは順位を下げることはなかった。前半3区間を走った下級生たちが粘り強く流れをつなぎ、22位まで浮上。レースは終盤に向け、確実に思い描く展開だった。

 最終5区。タスキを受けたのはキャプテンの滝川ゆめ(3年)だった。走っている最中、順位は分からない。ただ目の前の選手を一人でも抜く。その一心で前を追った。8位入賞という目標には遠いことは分かっていた。それでも、だからこそ少しでも上の順位でゴールする。その覚悟が、5人抜きという力走を生んだ。沿道の声援に笑顔で応えながら、最後の5キロを走り切る姿は、3年間の集大成そのものだった。

レース後に談笑する滝川

 昨年は39位から17位へ。結果だけを見れば大きな前進だが、滝川の胸に残ったのは悔しさだった。同時に、前半を担った1年生の奮闘、そして3年生2人でゴールまでタスキを運べた事実に、確かな価値を見いだしている。勢いある下級生に刺激を受けながらも、上級生が声を掛け合い、支え合い、最後まで一つの流れを保った。その積み重ねが生んだ17位だった。

 藤井裕也監督も「本当によく頑張った」と選手たちをたたえる。トラックのタイムだけを見れば全国で25〜30位が現実的な立ち位置。その中で17位に食い込んだのは、力以上のものを引き出せた証しだ。27位スタートから一つずつ順位を上げる展開は、想定通りでもあり、この1カ月間「前を追う」練習を積み重ねてきた成果だった。特に、3年間指導してきた3年生が最後に駅伝らしい走りを見せたことに、監督は「3年目にして初めて駅伝をしてくれた」と手応えを口にする。

「3年目にして初めて駅伝をしてくれた」と語った藤井監督

 走るのは5人。しかし、戦うのは部員15人。その意識を共有し、都大路で体現した。8位入賞には届かなかったが、この17位は、次につながる確かな現在地を示している。


(柚野真也)

大会結果