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県高校文化連盟写真中央展 一枚に宿る情熱と青春の記録 【大分県】

県高校文化連盟写真中央展 一枚に宿る情熱と青春の記録 【大分県】

 第74回大分県高校文化連盟写真中央展が、11日から4日間にわたり大分市美術館で開かれた。会場には、県内の高校写真部員らによる出品178点や、全国高校総合文化祭香川大会で展示されたものなど、計190点を超える作品が並んだ。壁一面に展示された写真は、被写体も表現方法も実に多様で、足を止めて見入る来場者の姿が絶えなかった。高校生という枠に収まりきらない視点と挑戦心が、静かな展示空間に確かな熱をもたらしていた。

 今年の特徴について、大分県高校文化連盟写真専門部の中村健太郎専門委員長は「レパートリー豊富な作品が目立つ」と語った。「生徒一人一人の個性や、好きなものへの気持ちがあふれている。ジャンルも幅広く、見る人を楽しませる一枚が集まった」と、その表現力を高く評価した。

最優秀賞「この先も、貴方と」。構図のバランスやストーリー性など高く評価された

 最優秀賞に輝いた松尾海音(大分国際情報3年)の「この先も、貴方と」は、場所や撮影時間の設定、構図のバランス、そして写真全体に流れるストーリー性が評価された。優秀賞の足立ひかり(鶴崎工業1年)の「導く者」は、部員をモデルに、スタジオ作りからポージングまでを自ら指示。人の表情やタイトルの意図を計画通りに表現する力が高く評価された。

 入賞作品に3年生が多い点について、中村専門委員長は「良い作品を撮るには経験が欠かせない」と指摘する。日々の部活動を通じて新しい機材に触れ、撮影の幅を広げていく過程そのものが、表現力を磨く土台になるという。自分の撮りたい被写体、心を動かされた瞬間にシャッターを切り続けることが、結果としてレパートリーと技術の成長につながる。高校生らしい瑞々しさと、積み重ねた経験が交差する一枚。その可能性を、大分の高校写真部はこれからも示し続けていく。

講評を受ける生徒たち

上位入賞者は以下の通り
◆最優秀賞=松尾海音(大分国際情報3年)
◆優秀賞=高橋杏露(大分東明1年)、谷口朱紗(大分国際情報3年)、和田咲良(情報科学2年)、佐藤大夢(鶴崎工業3年)、足立ひかり(同1年)
◆優良賞=安部友翔、渡辺みう、本郷茉日(以上、大分東明2年)、小名川滉斗(大分国際情報2年)、冨永華彪(同1年)、大塚友登(大分上野丘1年)、志賀優弥(情報科学1年)、梶原彩愛、門田陽菜(同2年)、細野優樹(津久見1年)、西嶋羅良、松原華望(鶴崎工業3年)、岡田悠志、宇都宮悠斗(同2年)、藤原小町(同1年)、高山拓真(大分舞鶴3年)、小野里桜奈(情報科学2年)


(塩月なつみ)