
珠玉の一枚 Vol.41 【大分県】
その他
キャプテンの存在は絶大だ―。その競技が誰よりも好きで、一番うまくて、グラウンドやコートで答えを出せる選手。チームを引っ張り、仲間を盛り上げて、一番真面目に練習し、誰よりも努力する選手。中には試合には出ないが自分のこと以上にチームのことを考えている選手がキャプテンになることもある。
キャプテンを任命された選手にとって、その責任は大きな力となるだろう。仲間からの信頼を裏切らず、どんなときも信念を持ち、与えられた仕事に責任を持って、さらなるレベルアップを求める。そんなキャプテンの本音を聞いた新企画「主将奮闘記」がスタート。
創部は2011年と歴史は浅いが、すでに日本一になるなどの実績を積み、全国でも有数の強豪校として知られる大分高校の女子ハンドボール部。昨年は春の全国高校選抜大会、夏の全国高校総体が中止となり、練習の成果を発揮する場所が少なかった。新チームになった8月に、「悔しい思いをした先輩の思いを背負って、全国大会で好成績を残したい」と強い覚悟を持ってキャプテンになった吉積亜美。試合では司令塔となるセンターのポジションを担い、コート内外でチームをまとめ、勝利を追求する。
Q:キャプテンになった経緯は?
夏の全国総体の代替大会が終わって、指名されました。私の他にも1つ上の先輩たちの代の試合に出ていた選手はいたし、絶対的な存在という感じではなかったので自信はなかったけど、自分なりにチームを引っ張っていこうと思い引き受けました。
Q:理想のキャプテン像はありますか?
前キャプテンの幡東妃美希(3年)先輩はリーダーシップがあり、気遣いのできる先輩だったし、原川中学の時に2度日本一になった1学年上の石川空(鶴崎高3年)先輩はプレーでもグイグイ引っ張っていくキャプテンでした。二人のいいところを見習いたいです。
Q:キャプテンになって大変なことは?
遠慮や迷いがあって思い通りに動けないこと。中学の時もキャプテン経験はあるけど、どう言えばまとまるのか、ついてきてくれるのか悩むことは多いです。自分は声を出して引っ張っていくタイプですが、同学年だけでなく後輩も、練習中から思っていることを言い合えるような雰囲気にしたいと思っています。
司令塔としてもチームを引っ張る吉積亜美
Q:チームの目標と、その目標を達成するために必要なことは?
まずは2月の全国高校選抜大会の出場権を手にするために九州ブロック大会で勝つこと。最終目標は日本一ですが、まだそのレベルには全然達していないので、攻撃のスタイルを確立して、どこからでも得点できるようなチームになりたいです。そのためには全員の意識を高めることが必要です。
Q:大分高校でハンドボールをしたいと思った理由は?
日本一を目指せるチームだったからです。中学3年生の時に左膝の前十字じん帯と半月板のけがをしてハンドボールを続けるか迷ったけど、滝元泰昭監督から誘われて本気で日本一を狙いたいと思いました。実際に入部すると全員のレベルが高く、監督の要求も高く戸惑うことばかりでしたが、成長できている実感はあります。
Q:ハンドボール部ならではの伝統、あるあるネタはありますか?
テストで欠点を取ったら髪を切ること。1教科で刈り上げ、2教科で耳出し。強制ではないけど、伝統だと思います。あるあるは、朝練の体育館の奪い合い。基本は早い者勝ちなので、女子バスケ部は7時からで一番早く、私たちはいつも(グラウンドが使えない)サッカー部と取り合いです。
Q:最後に、全国高校選抜大会の九州ブロック大会への意気込みを。
全国の出場権を取ることは最低限のことで、全国で勝つために必要な課題を見つけたいです。個人的には流れが悪くなったときに、試合をつくることができるかが重要になると思っています。この大会で学べるものは全て吸収したいです。
全国高校選抜大会の出場を目指す
(柚野真也)
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