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冬の高校スポーツ全国大会 駅伝男子 独自調整で挑む大分東明 都大路10位台目指す 【大分県】

冬の高校スポーツ全国大会 駅伝男子 独自調整で挑む大分東明 都大路10位台目指す 【大分県】

 男子第76回県高校駅伝で、大分東明は2時間6分29秒。大会記録に迫る快走で15年連続24回目の優勝をつかんだ。「夏合宿と走り込みの答え合わせ」と位置づけていた奥村隆太監督の想定タイムは2時間6分30〜50秒。その予想を1秒更新する結果に、奥村監督は手応えを深くかみしめた。

 新チームとして駅伝を走るのは、この県予選が初めてだった。あえて事前にあった駅伝大会には出場せず、徹底して練習に時間を割いた。「中途半端な状態で試合に出すより、本当に走れる形になってから勝負させたい」(奥村監督)と考えたからだ。その判断どおり、7区間中、6区間で区間賞を獲得し、地力を証明した。

 続く九州高校駅伝では7位に終わったが、ここにも奥村監督の狙いがある。県大会後の週に全国を見据えた強化メニューを入れ、あえて疲労を残したままレースに臨ませたのだ。順位よりも、伸びてきた選手を試すことを優先した大会だった。

県予選は好タイムで優勝した

 都大路(全国高校駅伝)のキーマンは、エース・豊川滉大(3年)だ。トラックの持ちタイムはチームトップ、ロードへの自信も絶対的。性格はマイペースで単独走向きだが、「昨年1区で大きくつまずいた悔しさがあるからこそ、一番力のある豊川を先頭に置く」と奥村監督は託す。

 竹宮流星(3年)は、成長期の体の変化に苦しみながらも、今年の夏以降に一気に力を伸ばしてきた遅咲きだ。樋口翔太(3年)は、かつてはムラの多いタイプだったが、進路決定を機に練習への姿勢が一変。今では「安心して任せられる存在」と評価されるまでになった。3人の3年生が、中盤の山場を固めることになりそうだ。

 仕上げのカギを握るのは、この1年かけて磨き上げてきた独自のコンディショニングである。従来のように試合直前にスピード刺激を入れてキレを引き出す方法では、微妙な疲労が残り、本番で力を発揮し切れないレースが続いた。そこで奥村監督は思い切って発想を転換した。試合4日前に少しきつい負荷を与え、そこから本番までは短時間ながらテンポよく走るジョグでリズムを整える。いわば“削ぎ落とす”調整法だ。刺激を抜くことに最初は選手たちも戸惑ったが、走りの感覚が軽くなり、動きの質が安定することを実感。夏前から何度も試して微調整を重ね、ようやく「このチームに最もフィットする形」が見えてきたという。

独自の調整法で都大路10位台を目指す

 11月末には都大路のコースで2泊3日の試走を行い、起伏や距離感を正確に把握した。目標は「10位台」。この順位を確保できれば、来年以降のチームが入賞を具体的な目標として設定しやすくなる。県大会で得た走力と課題を踏まえ、15年連続の出場となる都大路で計画的に結果を積み上げることを目指している。


(柚野真也)

大会結果