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全国高校選抜大会県予選 弓道男子団体 国東が頂点へ 堂々の全国切符 【大分県】

全国高校選抜大会県予選 弓道男子団体 国東が頂点へ 堂々の全国切符 【大分県】

第38回大分県高校弓道選手権大会
11月9日 大洲総合運動公園内弓道場
男子団体決勝リーグ戦
国東 4勝1敗 総的中数42

 弓道の県高校新人大会を制した勢いそのままに、全国高校選抜大会の県予選を兼ねた「第38回大分県高校弓道選手権大会」でも国東が頂点に立った。男子団体は4勝1敗で鶴崎工業と並んだが、総的中数42対28で圧倒。エース・森蒼生(2年)が個人でも頂点に立ち、チームとしても個人としても、その実力を証明した。

 梶原寛章監督は「苦しい場面も多かったが、全員が自分の課題に向き合って成長してくれた。最後の一戦では心を一つにして10中を決めた」と胸を張る。的確な射を支えるのは、技術よりも心の静けさ。梶原監督が強調するのは「伸び合い」と「詰め」、すなわち引きの呼吸と心の緊張を保つことだ。「弓道は心の勝負。どんな状況でも同じ所作で弓を引けるように」と語るように、梶原監督の指導は常に精神面と技術を重ね合わせている。

 チームを支える大黒柱・森は、団体の大前(一番手)として全員の流れを作る存在だ。梶原監督は「森の強みは粘り。焦らず、最後まで的の中心を射抜く力がある」と信頼を寄せる。森も「試合を楽しめた。仲間と一緒に自信を持って弓を引けた。全国選抜では変わらない射で一番を狙いたい」と言葉に力を込めた。落ち着きと安定感が、チームに安心感をもたらしている。

大前として勢いづけた森(手前)

 森を支える佐加良海生(2年)と門口優真(同)も、まっすぐで重い矢を放つ力強い射を持つ。「この2人は失敗しても的の近くに矢をまとめられる。安定した射手だ」と梶原監督は評価する。九州新人大会では一度崩れた試合もあったが、同じ立ち順とリズムを貫くことで、徐々に自分たちの型をつかんだ。試合ごとに呼吸が合い、立に入る瞬間の空気にも一体感が生まれてきた。

 3人の関係は主従ではなく、互いを支え合う横のつながりだ。森が的中を重ねることで他の2人に安心を与え、佐加良と門口が落ち着いた射で全体の流れを保つ。その信頼の循環が、国東の強さの源になっている。3人が放つ矢には、技術を超えた結束と、経験を糧にした確かな自信が宿っている。

 全国の強豪と渡り合う準備は、すでに始まっている。大会までのわずかな期間、梶原監督は体調管理の徹底を第一に掲げる。「最高の状態で大会に臨み、堂々と弓を引くこと。その経験こそが財産になる」と語る。

 結果を恐れず、心を研ぎ澄ませて放つその矢は、まっすぐに全国の頂を射抜こうとしている。

新チームになり2冠を達成した国東


(柚野真也)

大会結果