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トリニータ 片野坂知宏監督 残り5試合に挑む指揮官の算段、6季目の決断を語る

トリニータ 片野坂知宏監督 残り5試合に挑む指揮官の算段、6季目の決断を語る

 今季5試合を残して現在10勝7分12敗、勝点37で暫定11位の大分トリニータは、昨季の勝点47、9位を上回る成績を残すことが今後の目標だ。それは片野坂知宏監督が就任当初に掲げた「J1定着」につながる。11月中旬に監督続投が決まった指揮官の胸中、残り5試合の算段、来季に向けてのプランを聞いた。

 

攻守で狙いを持って戦えている

 

Q:最近の試合内容を振り返ってください。

 川崎、C大阪、名古屋の上位との連戦は1勝1分1敗。川崎、名古屋からは勝点を取ることができ、選手は最後まで集中力を切らさずに戦えていた。戦い方の狙いを合わせてやってくれているし、いいパフォーマンスを維持してくれています。

 

Q:守備の安定感については?

 守備の狙いをチームとして持っていて、思い切ってアグレッシブにチャレンジできています。選手には迷いなくやろうと伝えている。どこでボールを奪える可能性があるかということでピッチに立つメンバーや対戦相手によって、狙いは変わります。上位のチームはパスをつなぐのがうまく、個々の能力も高いので簡単にボールを奪うことは難しいですが、狙いを持っていないと奪えない。選手は理解して挑戦してくれています。

 

Q:決定力については?

 最低限、「枠を捉えてシュートで終わる」ように練習してきました。最近は枠内シュートが増えていますが、あとは得点を取るための狙いを明確にすることが必要です。プレーに関わる当事者の意識、クオリティーが大事になる。これはやり続けるしかない課題だと思います。

 

残り5試合で昨季以上の成績を目指す 

 

来年は勝負の年

 

Q:来季は6シーズン目の指揮を執ることが決まりました。決断に至った理由は?

 クラブと話をした中で、これまでの5年間を通して高く評価してもらって、今後を見据えたクラブのビジョンを話し合い、信頼できると感じました。トリニータの監督に就任した時に、J1に復帰すること、そして、J1に定着できるチーム作りをしなければいけないと考えていました。来季のJ1は20チームでのリーグ戦となり、降格が4チームと厳しい戦いが待っています。トリニータがどれだけ積み上げたものを出して、上位と戦えるチームになるか。来年が勝負になるなという意欲が湧きました。

 

Q:他クラブからのオファーもあったと思いますが、迷いはなかったのでしょうか?

 これだけ早く発表できたということは、悩むことはなかったということ。いろんなクラブからの評価も聞きたいところもありましたが、それが本当に形になるかどうかはわからないし、トリニータというチームをJ1に定着するのが最終目標だったので、それが大きかったです。

  

Q:早いタイミングでの発表については?

 来年もJ1で戦えるということと、今後のチーム編成を考えたときに選手やスタッフも監督がはっきり決まれば判断しやすくなります。選手の獲得にもプラスになるし、自分が決断したのであれば早い段階で発表しても良いと判断しました。

 

Q:来季は今季以上に予算制限もある中で、どのようなチーム構想を考えていますか?

 新型コロナウイルスの影響でクラブ予算が厳しいのは理解しています。お金があるチームではないし、選手獲得も今後も変わらないのは覚悟の上でやる。J1である程度の結果を出せていますが、定着できるチームになるためには今年よりもレベルアップする必要があります。上を目指せるチームを作らないと来季20チームのJ1で生き残るのは大変。クラブができる範囲で、どんな選手を残して、どんな選手を探すのかというのを少しリクエストしました。今季よりレベルアップした戦いができるように考えています。

 

Q:残り5節は来季を見据えた戦いとなるのでしょうか。そして、選手に求めることは?

 来季につながる戦い方で締めくくりたいですが、12月に入って来季の契約とかピッチ外のところでソワソワする時期になってくる。選手にはそういったところに目を向けさせずに試合に集中させたい。残り5連戦はタイトなスケジュールで、どんな戦いになるか分からない。まずはけが人を出さず、トリニータらしい戦いをしなければいけません。毎試合勝点3を取って、今季が終わった時に昨年の勝点を超える結果を残せるような戦いをしたいです。

 

J1に定着するチームを作ると語った片野坂知宏監督

 

 

(柚野真也)