
珠玉の一枚 Vol.41 【大分県】
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県高校新人大会のレスリング団体戦で20年連続21回目の優勝を決めた日本文理大学付属。55kg級から120kg級の7階級で各2選手がそろう選手層を誇る。勝龍三郎監督は「突出した選手はいないが全員のレベルが高い。団体戦、個人戦共に九州大会で好結果を残して、全国高校選抜大会の出場権を得たい」と話し、1月の全九州高校新人選手権大会に向けて気持ちの入った練習が続く。
勝監督は「強くなるために何をすべきか」を選手一人一人に問い、どんな選手を目指すのかを話し合う。「センスがなければ技術を身に付け、技術がなければパワーやスタミナをつければいい。自分に足りないもの、自分が他の選手より勝っているものを認識させて、それを戦略的に伸ばせばトータルで強くなる」。まずは己を知り、目指すビジョンを明確にすることで、練習への取り組みが変わるという。
県高校新人大会団体戦で20連覇を達成した日本文理大学付属
個人戦65kg級で優勝したキャプテンの広石春樹(2年)は、「全体練習では技術を高める練習が多いが、自主練習で足りないところを重点的に補えるようになった。効率の良い練習で結果を出せている」と語る。レスリングに必要な筋肉、無駄な筋肉があり、鍛え方を間違えると故障しやすくなることを知り、やみくもに特訓することはなくなった。
取材当日は3、4人のグループで実戦形式の練習をしていたが、できる選手が他の選手を指導する「現役コーチ」の方式を取っていた。「教えるとは教わること」と勝監督。互いにタックルやディフェンス、投げ技について探求し、疑問を投げかける。考え、話すことで頭が整理できるようだ。解決策が定まらないときは監督が明確な答えを導く。
「要領がいい」とはあまり褒め言葉にならないことが多いが、駆け引きや心理戦が必要なレスリングにおいては、最高のパフォーマンスを続けるためには不可欠なもの。練習でいくら頑張っても、試合で通用しなければ意味がない。「勝つために必要なことは何かと考えている」(勝監督)。それが強さの秘密のようだ。
追求心を持って練習に取り組む
(柚野真也)
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