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大分トリニータ 25に込めた覚悟の証 榊原彗悟 【大分県】

大分トリニータ 25に込めた覚悟の証 榊原彗悟 【大分県】

 今季、大分トリニータの中盤に欠かせない存在となった榊原彗悟が、今月9日に25歳の誕生日を迎えた。自身の背番号「25」と同じ数字を刻む節目の年。かつては“若手”と呼ばれた男が、今やチームの中軸として責任を自覚し始めている。

 「少し前までは10代だったはずなのに、あっという間。もう若手とは言えない年齢。だからこそ、もっとやらなきゃという思いが強い」。その言葉に、榊原の変化が凝縮されている。ベテランと若手の間に立つ中継として、声をかけ合い、ピッチ内外でチームをまとめる姿勢が目立つようになった。

試合中も積極的にコミュニケーションを図る

 竹中穣監督の就任以降、チームは内容面で確かな変化を見せている。榊原は「結果はまだ1勝だが、何もできなかったと感じる試合はなくなった。全員が前向きに取り組めている」と語る。迷いを消し、プレーの基準を明確にする指揮官のもとで、チームの方向性がようやく定まりつつある。

 榊原に求められているのは、攻守にわたるアグレッシブさだ。監督との信頼関係は深く、JFLのラインメール青森時代から互いを知る間柄。「自分の特長を理解してくれている。自分の良さをもっと出していけと言われている」と話す一方で、「守備のタスクは厳しく指摘される。(ポジショニングの)スライドや中央の締め方など、細かい部分を突き詰めていきたい」と、さらなる成長への意欲を隠さない。

 課題の一つである得点力不足についても、「ゴール前に入る回数は確実に増えている。あとは決めきるだけ」と前を向く。前節の秋田戦では中央突破やペナルティーエリアへの侵入が増え、チーム全体の攻撃パターンに手応えをつかんだ。「ボールを出して動き出すプレーは自分の持ち味。もっと関わっていきたい」と、ゴールへの意識も高い。

自分らしいプレーで勝利に導く

 シーズン終盤、残留争いの厳しさは増す。それでも榊原の表情に悲壮感はない。「ネガティブにならず、全員で戦いたい。チームには力がある」。連戦の中で磨かれた体力と責任感を武器に、ピッチの中心で鼓動を刻み続ける。

 「背番号25は、自分にとって責任の象徴。憧れだった中村俊輔さんがつけていた番号を、新しい場所で背負えることに特別な思いがある」
 その番号に込めた覚悟を胸に、榊原は25歳のシーズンを戦い抜く。攻守をつなぎ、チームを動かす。榊原が終盤戦のトリニータを押し上げる原動力になる。

(柚野真也)

大会結果