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ウインターカップへの道 バスケットボール女子(1) 大分が頂を狙う 磨き抜いた1対1の勝負 【大分県】

ウインターカップへの道 バスケットボール女子(1) 大分が頂を狙う 磨き抜いた1対1の勝負 【大分県】

 全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)の大分県予選が、9月6日に幕を開けた。女子は27校が出場し、4回戦が今月25日、準々決勝と準決勝が26日、そして決勝は11月3日にクラサス武道スポーツセンターで行われる。3連覇を狙う明豊を追うのは、確かな成長を見せる大分。速攻が持ち味の藤蔭、シュート力を磨く中津北も頂点を見据えて力を蓄えてきた。準々決勝から登場するシード4校を軸に、白熱の優勝争いが繰り広げられそうだ。今回は、その4校の戦力と注目ポイントを紹介する。

 県高校総体で明豊に敗れ、全国高校総体への切符を逃した大分。あの日の悔しさは、今も胸の奥に残る。試合後、コートを見つめたまま動けなかった選手たちは、この夏を「自分たちを変える時間」にした。

 井場田卓監督が掲げたテーマは「1対1の徹底」だった。個の力を出し切れず、互いを生かそうとする意識がかえって攻撃の幅を狭めてしまった県総体の反省から、原点に立ち返った。夏休みはひたすら1対1の攻防。ボールを受けたらまずゴールを狙う。そこからチームプレーを展開する。単純なようでいて、最も強く、そして大分らしいスタイルだ。

県総体で負けた悔しさを力に変えた

 「ガツガツ仕掛けて、得点力を上げる」。井場田監督の言葉どおり、県外での練習試合を重ね、攻守両面で個々がたくましくなった。3年生4人を中心に、チームの輪郭ははっきりしてきた。爆発的な得点力を誇る緒方愛実、ゴール下での存在感を放つ前田桜、守備で相手に圧をかけ続ける阿南希美、外角から一撃を放つ渡辺結花。それぞれの武器がかみ合えば、どんな相手にも主導権を渡さない。井場田監督は「100点を取り、70点に抑えるバスケをしたい」と語る。攻めて守る。どちらにも特化しない“総合力”こそ、このチームの真骨頂だ。

 井場田監督が中学時代から指導してきた3年生たちは、ただ真面目なだけではない。ぶつかり合いながらも、互いを認め合う強さを身につけた。監督は3年生に絶対の信頼を置いている。「どんな相手でも、これまでやってきたことを出せば勝てる」。その言葉に、これまでの積み重ねが凝縮されている。

 チームを率いるポイントガードの緒方は、県総体の敗戦を振り返り「途中から記憶がないほど悔しかった」と語る。動画も見返せずに過ごした日々。だが、あの痛みが自分たちを前へ進ませた。「攻守の切り替えを徹底して、相手を圧倒したい」。冷静さと爆発力を兼ね備えた司令塔は、誰よりも激しく、誰よりも冷静にチームを引っ張る。

 ウインターカップ県予選まで残された時間はわずか。3年生にとっては集大成の舞台であり、これまで積み上げてきた努力を形にする最後のチャンスだ。「プレッシャーを感じる必要はない。楽しめばいい」。井場田監督の言葉には、選手たちへの信頼と愛情がにじむ。夏の鍛錬で磨いた1対1のスキルを武器に、3年ぶりの優勝を目指す。

3年生が勝利に導く

(柚野真也)

大会結果

2023年度