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春の高校バレー県予選展望 女子(5)大分商業 先輩への感謝を力に強き絆で夢をつかむ 【大分県】

春の高校バレー県予選展望 女子(5)大分商業 先輩への感謝を力に強き絆で夢をつかむ 【大分県】

 高校バレーの最高峰・春の高校バレー。その出場権を懸けた県予選が10月25日に開幕する。女子は26年連続41回目の全国切符を狙う“絶対王者”東九州龍谷が、依然として優勝候補の最右翼だ。対抗馬の大分商業をはじめ、他校も頂点を射程にとらえている。熾烈(しれつ)な戦いを制して全国の舞台への扉を開くのはどのチームか。熱戦の幕開けを前に、その行方を占う。

 長年、東九州龍谷(東龍)と対峙してきた大分商業。決勝で敗れ、涙をのんだ回数は数知れない。その壁を破るのは容易ではないが、今年は例年にも増して好選手がそろった。「東龍を破り、全国へ」。その夢は、いま確かな輪郭を描きつつある。

 今年のチームは攻撃陣の層が厚い。中心となるのは2年生トリオの安藤美空、帆秋杏、小田原明日香。すでに多くの試合で主軸を担ってきたが、夏を越え、さらなる成長を遂げた。小田原は、練習や練習試合を重ねる中でジャンプ力やパワーに磨きがかかり、より頼もしい存在に。帆秋はまだ調子の波があるものの、爆発すればチームをもう一段押し上げるキーマンになるポテンシャルを秘めている。もちろん、森栄一郎監督が「歴代で一番」と言い切る絶対エース安藤の存在は言うまでもない。ほかにもレフトの朝久野咲菜(さきな・2年)、正セッターを目指す中津留彩未(あみ・2年)、松田茉庭(まに・1年)らが切磋琢磨しながら着実に力を伸ばしている。

絶対エースの安藤

 主力は2年だが、チームを支えてきたのは間違いなくキャプテンの平田咲凪(3年)だ。唯一の3年生として下級生をまとめ、常にチームを盛り立ててきた。強豪校を一人でけん引するプレッシャーも苦労も決して小さくなかったはずだが、「仲の良さはどこにも負けない。このメンバーでバレーができるのはあとわずか。みんなへの感謝を胸に全国を目指したい」と笑顔で前を向く。その言葉から、平田がどれほど仲間を大切に思っているかが伝わってくる。

 下級生にとっても平田は特別な存在だ。「キャプテンにとっては最後の春高。自分たちが連れて行くという気持ちでやる。どんなときも点を取れるエースとして貢献したい」(安藤)、「私たちに足りない部分をキャプテンが率先して伝えてくれたから成長できた。頼りきりではなく、2年が主体になって全国を目指したい」(小田原)、「大変な時にいつも声をかけてくれたキャプテンに春高の舞台に立ってほしい。左利きの持ち味を発揮してチームを勝利に導きたい」(帆秋)と、それぞれが強い覚悟を胸に闘志を燃やしている。

一戦必勝で勝利を目指す

 県予選では順当に勝ち上がれば決勝で東龍と当たる。森監督が「最も重要なのは、(東龍のエース)忠願寺(莉桜)に仕事をさせないこと。ただ、そこだけを意識すると今度はレフト平行にやられる。サーブで崩すなど工夫する必要がある」と話すように、現在は東龍を意識した練習に励んでいるが、東龍のことだけを考えればいいわけではない。3年生にとっては最後の大会。どのチームも必死で食らいついてくるはずだ。まずは確実な決勝進出を目指し、一戦必勝で全力を尽くす。「打倒・東龍」「キャプテンを全国へ」。強い思いを持って決戦に臨む。

(甲斐理恵)