
県高校総体 バレーボール男子 仲間との絆で栄冠をつかんだ大分南 【大分県】
バレー
全日本バレーボール高校選手権大会(春の高校バレー)の男子県予選は先行して行われた女子に続き31日から始まる。昨年は大分南が悲願の本戦初出場を決めたが、2月の県高校新人大会では大分工業が優勝し、伏兵の鶴崎工業が準優勝。今大会は本命不在の混戦となりそうだ。第1回は2015年以来の春の高校バレー出場を目指す大分工業。
7月の県高校総体では“全員出場”にこだわり、チーム力の底上げを図った大分工業。江崎裕之監督は「試合に強い選手もいれば、そうでない選手もいる。良い面も悪い面も把握することができた」と十分な手応えを感じている。入学直後に新型コロナウイルスによる部活動自粛という憂き目にあった1年生にとっては、公式戦を経験する貴重な機会にもなった。
現在は自粛中から目標に定めていた「春の高校バレー県予選優勝」に向け、サーブ、レシーブを中心に、持ち味である“落とさないバレー”に磨きをかけている。練習試合も積極的に組み込み、勝ち体験を体に染み込ませている。
落とさないバレーに磨きをかける大分工業
レギュラー争いも激烈だ。大分工業は35人の大所帯。レギュラーは学年に関係なく、実力で決まる。特に正セッターはキャプテンの加嶋祐汰(3年)であろうと油断はできない。チームには良い意味で緊張感があり、エースの甲斐優作(2年)や、江崎監督が「ブロックが特にいい」と評す、目下成長中のアウトサイドヒッターの三代竜也(3年)など中心となる選手に勢いがある。「今までやってきたことを出し切って全国へ行きたい」(三代)と気合も十分。
しかし、江崎監督は厳しい目を向ける。「自粛中も腐らずよくやってくれた」と前置きした上で、「まだ頭も体も休止している部分がある。勝負に対する気持ちや1点に対する執着が弱い」と言葉を続けた。目標を見失わないために、「勝つことによる効果、周りへの影響の大きさ」について事あるごとに説いてきた。
県内では春の高校バレー最多出場を誇る古豪は2月の県高校新人大会で優勝したが、実はほとんどの選手にとってバレーボール人生初の優勝経験だった。大きな自信を得て、まさにこれからという時期の自粛。悔しい思いもあるが「どこも条件は同じ」と前を向く。他校のことは考えていない。自分たちがベストを尽くした先に優勝があると信じ、県予選までの残りのわずかな期間を走り抜ける。
5年ぶりの優勝を目指す
(甲斐理恵)
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